研究課題/領域番号 |
19K05212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
波多野 慎悟 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 講師 (70397157)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 両親媒性ブロックポリマー / ミクロ相分離 / 液晶 / 感温性ポリマー / 透過膜 / ナノチャネル / ゲート機能 / 温度応答性 / ナノ構造制御 |
研究開始時の研究の概要 |
物質の分離に用いられる透過膜として、透過経路の空間を温度によって制御できる感温性ゲート機能付き透過膜の開発を行う。 その基盤材料として、均一な直径の親水性垂直配向シリンダードメインが規則的に配列したミクロ相分離構造を形成できる側鎖液晶型両親媒性ブロックコポリマー膜に注目した。 本研究では、側鎖液晶型両親媒性ブロックコポリマーのブロック間に感温性ポリマーを導入した側鎖液晶型トリブロックターポリマーを合成し、製膜する。そしてミクロ相分離界面にある感温性ポリマーが温度に応答して収縮-膨張する性質を利用して、物質の透過経路となる親水性シリンダードメイン内の空間制御を行い、その透過性を検討する。
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研究成果の概要 |
側鎖液晶型両親媒性ブロックポリマーが形成する垂直配向シリンダーミクロ相分離構造を利用した温度応答ゲート機能をもつ透過膜の開発のために、親水性ポリマーとしてPEO、感温性ポリマーとしてPDEGMAまたはPNIPAM、液晶メソゲンかつ光架橋部位となるスチルベンを側鎖にもつPMA(Stb)を組み合わせた、側鎖液晶型両親媒性トリブロックポリマーを合成した。 PDEGMAを有する膜はPNIPAMを有する膜よりも規則的なミクロ相分離構造構造を形成し、優れた温度応答ゲート機能を示した。また、PDEGMAを有する膜では分子量約2000のオリゴマーに対して、顕著な温度応答ゲート機能を示すことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、緻密なチャネル内の空間を温度によって変化させることで、物質の透過速度を制御することに成功した。今回開発した温度応答ゲート機能を持つ膜は、低分子量体での透過速度制御だけでなく、一般的に緻密なチャネル内では透過しないオリゴマーレベルの物質(分子量約2000)の透過にも成功した。緻密膜でありながらオリゴマーを透過する材料であることは新規性が高い。 水を膜分離で精製する場合、複数の膜を組み合わせて段階的に精製するのが一般的であり、そのためコストも高くなる。本研究のように透過性能を制御できる緻密膜であれば、条件設定によって分離対象を選別できるため、1つの素材で多段階精製にも対応可能である。
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