研究課題/領域番号 |
19K05218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
渡辺 剛志 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30803506)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | グラフェン / 電気化学発光 / 免疫分析 / POCT / ECL / 透明電極 / 電気化学 / イムノアッセイ / 電気化学発光イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
高感度で簡便な小型な免疫分析装置ができれば、臨床検査がより身近なものになり病気の早期発見に繋がると期待される。電気化学発光(ECL)を用いた免疫検査装置は高感度であるが、一般に大型である。本研究では、炭素原子で構成され光学透明性と電気伝導性に優れるグラフェンを使い捨ての透明電極として利用し、高感度かつ簡便なECL免疫分析システムの実現を目指す。このシステム実現のためのグラフェン電極の最適化の手法として、ECLイメージングの技術開発を行い、ECL測定に適したグラフェン透明電極と表面修飾方法の探索を行う。
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研究成果の概要 |
CVD法により作製したグラフェンを電気化学発光(ECL)測定の透明電極として利用することで、従来の電極に比べ高感度な測定が可能となることを実証した。単層、多層、積層グラフェンの比較から、欠陥の少ない単層グラフェン及び積層グラフェンが高いECL強度を示すことを見出した。単層グラフェンを用いて代表的ながんマーカーとして知られるガン胎児性抗原(CEA)の免疫測定を行い、健常者における正常濃度以下の濃度での測定に成功した。また積層グラフェンを利用することグラフェンの電気特性を損なわずに表面修飾することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、単層のグラフェンが電気化学発光分析用途の電極として優れた特性をもつことを見出した。炭素原子わずか一層のシートが、電気化学発光のような電極表面にラジカル種を生成するプロセスにも適用可能であると示したことはECL分析やグラフェンの電気化学応用の可能性を広げるものである。 グラフェンは資源として豊富に存在する炭素原子が一層のみのシートであるため、使い捨ての電極材料として利用可能である。高感度測定可能な電気化学発光免疫測定にグラフェンを使い捨て電極として利用すれば、高感度測定可能な迅速感検査機器の開発が可能であり、新たな感染症発生時の備えや遠隔地の難病治療などに貢献できると期待される。
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