研究課題/領域番号 |
19K05230
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
茂木 巖 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50210084)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | マイクロ渦流 / ゆらぎ / キラリティ / 対称性の破れ / 磁気電気化学 / アミノ酸 / マイクロ電磁渦流 / 磁気電析 / 磁気流体力学 / マイクロMHD渦流 / キラル界面 |
研究開始時の研究の概要 |
固体表面にキラルな構造が存在するとき,そのキラル界面は不斉触媒として機能し,生命誕生に向かう分子進化において重要な役割を果たしたと考えられている.申請者は,磁場中での電析(磁気電析)が金属薄膜の表面にキラリティを誘発することを見出し,そのキラル挙動を研究してきた.磁気電析においては,磁場極性を反転すると界面キラリティも反転する.ところが,様々な条件で磁気電析を行う中で,磁場極性に対しキラル対称性が破れる条件が存在することが見つかった.本研究では,キラル対称性の破れる条件を徹底的に精査し,そのメカニズムの解明を目指す.そしてその洞察をもとに,生体分子のホモキラリティ発現のメカニズムを提案する.
|
研究成果の概要 |
磁場を印加しながら電析を行う磁気電析では,金属の電析膜にキラル界面が生成する.印加する磁場を逆転すると,界面キラリティも反転する「奇のキラリティ」の挙動を示す.本研究では,磁場強度や電極径の変化,特異吸着効果,回転電析効果などの多様な磁気電析条件での実験を試み,奇のキラリティが破れる条件が存在することを発見した.実験条件の精査により,マイクロ電磁渦流のゆらぎが奇のキラリティの破れの重要な要因になっていることを突き止めた.このことは,自己組織化状態のゆらぎがキラル対称性の破れの起源であることを示唆している.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉱物の結晶成長や溶解過程で生じる界面のキラリティは,生命の起源,ホモキラリティなどと深く関わる極めて重要な研究テーマである.本研究では,磁気電析系において奇のキラリティの破れがマイクロ渦流のゆらぎに起因することを見出した.このことは「キラル対称性の破れが自己組織化状態におけるゆらぎに起因する」という普遍的な概念へと発展する可能性があり,学術的な意義は極めて大きい.
|