研究課題/領域番号 |
19K05238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
戎 修二 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10250523)
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研究分担者 |
宮崎 正範 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (30634357)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 希土類硫化物 / 単結晶育成 / 異常磁気伝導 / 電気抵抗率異常増減 / 巨大物性応答 / 磁化容易軸交換 / 磁場中試料回転 / 一軸圧 / 逐次磁気相転移 / 磁化容易方向 / 準安定状態 / 一軸圧下磁化率 / 静水圧下電気抵抗率 / 結晶場 / 圧力下電気抵抗率 / 弱強磁性磁化過程 / 残留エントロピー / 四極子秩序 / 弾性率測定 / 磁気構造 / 一軸応力 |
研究開始時の研究の概要 |
希土類三二硫化物α-R2S3 (R:希土類元素)の単結晶が、極低温の狭い温度域で電気抵抗率が100倍以上の急増急減を示すなどの特異な物性を示すことが筆者らによって発見された。これらが、希土類元素の4f電子がある特殊な状態(電気四極子)で揺らいでいたり、磁場の印加により秩序化したりということに起因しているのではないかという仮説について実験的に検証し、次世代の社会に有益な希土類化合物の探索に対して指針を与える。
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研究成果の概要 |
希土類三二硫化物α-R2S3の単結晶が極低温領域で示す特異物性、特に磁気転移点近傍の狭温度域における電気抵抗率の異常増減現象の機構解明を目指して、ミクロプローブを用いたμSR実験とマクロ物性測定を行った。当該現象はα-Sm2S3のT > TC1とα-Dy2S3のT > TN2の温度域における、磁気モーメントの短距離秩序による大きな磁気揺らぎに起因すると結論した。また、本系化合物中において希土類イオンの結晶場基底状態には複数の準安定状態が存在し、これらの共存により磁化容易軸が奇妙に交錯し、これらの状態間遷移が巨大な物性応答をもたらしていると考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
狭い温度範囲で6桁にも及ぶ電気抵抗率の急増・急減というのは希有な現象であり、その機構を解明することはそれ自体が学術的に意義深く、また新しいタイプの巨大物性応答を示す化合物群を探索する手掛かりにもなり得る。外場に対して巨大な物性応答が得られれば、その物質は高効率・省エネルギー・低環境負荷で、ある機能を発揮する新材料となり、高機能電子デバイスへの展開が期待される。
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