研究課題/領域番号 |
19K05247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石川 謙 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (10176159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 反強誘電性液晶 / 連続諧調 / キラルスメクチック液晶 / 強誘電性液晶 / 連続諧調性 / 長周期構造 / 強誘液晶液晶 / 非線形光学 / 誘電率 / フラストレーション / 液晶 / 強誘電性 / フラステーション / スメクチック |
研究開始時の研究の概要 |
強誘電性液晶と、その副次相は、ディスプレイ材料として中心的に用いられるネマチック(N)液晶より3桁程度高速な電気光学応答を示す。しかし、薄膜トランジスタとN液晶を組み合わせたデバイスの価格低下のため、通常のディスプレイには用いられなくなった。しかし、高速応答が必要な8K/VRディスプレイではN液晶が対応できないため強誘電性液晶が再注目されている。本研究では、従来の強誘電性液晶の応用研究で見いだされた連続階調表現に適したV字型光学応答を示す「無閾強誘電状態」の構造を解明とデバイス応用を行う。
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研究成果の概要 |
スメクチックC相(SmC相)は層構造を取り、分子長軸が層法線から傾いた液晶相である。不斉分子から構成されると、構造により強誘電性・フェリ誘電性・反強誘電性となる。これらの液晶の混合系で、連続諧調表示可能で従来の液晶に比べて高速応答性のある無閾反強誘電液晶が見いだされたがデバイス開発の中断により、その構造や電気光学特性の詳細は未解明となっている。本研究では無閾反強誘電性を示す2種の混合系を対象に、光第2高調波発生により、基底状態の検討を行い、反強誘電性であることを確認するとともに、誘電測定・電場誘起複屈折測定による電界との相互作用の詳細および緩和過程の評価を通して、応答機構の解明を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究対象であるSmC液晶は層内に秩序のない2次元液体で、層間では分子の重心位置がランダムで層法線方向に直接の長距離相互作用は存在しない。しかし、4層以上の周期構造の存在が確認されており、構造の詳細とその構造形成機構は液晶のみならず、ソフトマターにおける自発的構造形成のモデルとして学術的に興味深い。無閾反強誘電性液晶の基底状態は4層周期反強誘電相であると考えられているが、従来知られていた4層周期反強誘電相とは電場応答特性が大きく異なっており、その長周期構造の形成機構や構造間の転移の様相の解明を通して、ソフトマターの構造形成について新たな視点が得られる。
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