研究課題/領域番号 |
19K05253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
安立 裕人 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (10397903)
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研究分担者 |
大江 純一郎 東邦大学, 理学部, 教授 (40510251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピン流 / スピンホール効果 / 超伝導渦糸 |
研究開始時の研究の概要 |
電子のもつスピン自由度を利用する電子技術はスピントロニクスと呼ばれ、次世代エレクトロニクスを担う有力候補として世界中で研究が進んでいます。このスピントロニクス機能を超伝導体を用いる量子計算機に組み込む将来を考えると、超伝導とスピントロニクスを組み合わせた超伝導スピントロニクスの探求は大きな意義を持ちます。スピン1重項の超伝導体はスピン偏極を嫌いますが、超伝導の渦糸中心ではスピン偏極が生き残ります。本研究では、これまでの超伝導スピントロニクスで注目されて来なかったこの超伝導渦糸のダイナミクスに注目し、渦糸フローによって作り出される全く新しいスピン流の性質について明らかとします。
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研究成果の概要 |
スピン一重厚クーパー対はスピン偏極を持てないため、これらの超伝導体では秩序変数の運動によるスピン流を考えられない。しかし、第二種超伝導体の渦糸状態では渦糸の内部にスピン偏極をもつことができるため、超伝導渦糸の運動によってスピンを運ぶことが可能となる。この超伝導渦糸の運動が引き起こすスピンホール効果を渦糸スピンホール効果と名付け、この現象を微視的に調べ上げた。具体的には、超伝導渦糸が運ぶスピン流演算子を微視的に計算し、これが熱流演算子と強い類似性を持つことを示した。更に、久保公式を用いて渦糸スピンホール伝導度を計算し、渦糸スピンホール伝導度が渦糸ネルンスト伝導度に比例することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、超伝導の量子渦糸にスピンを閉じ込めて輸送するという、全く新しいスピン輸送の原理を理論的に明らかとした。この成果により、これまでにない有効なスピン情報の輸送手段が付け加えられたといえる。
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