研究課題/領域番号 |
19K05254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和田 裕文 九州大学, 理学研究院, 教授 (80191831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 磁気冷凍材料 / 磁気熱量効果 / 液体水素 / 一次相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
物質の磁気熱量効果を用いた磁気冷凍は新たな冷凍技術として注目されている.本研究では液体水素~液体窒素温度領域における新たな磁気冷凍材料の開発を行うことを目的とする.ここでわれわれは巨大磁気熱量効果を示す一次の磁気相転移物質に注目する.一次相転移物質の種々の物性をコントロールすることが本研究の学術的な課題である.われわれは組成変化,元素添加,化学両論組成からのずれ,侵入型原子の添加による材料開発に加え,新規作製プロセスや新たな磁気熱量効果の測定法の導入により低温磁気冷凍材料の効率的な開発を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は液体水素温度から液体窒素温度領域での磁気冷凍材料の開発することで,開発目標は5Tにおける磁気エントロピー変化が30 J/ K kg以上,熱ヒステリシスが1 K程度である.われわれは低温で強磁性から反強磁性に一次相転移するGd5Ge4に着目した.この物質は43 Kで25 J/K kgの磁気エントロピー変化を示す.われわれはGeをSiで置換した系において40~120 Kの温度範囲において,上記の条件を満たす磁気冷凍材料の開発に成功した.また,Siを置換すると一次相転移温度も磁気エントロピー変化も増加する.この現象は強磁性から反強磁性への一次相転移に起因することも明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではあらたに低温で巨大磁気熱量効果を有する磁気冷凍材料を開発することができた.この結果は水素や天然ガスの液化に磁気冷凍を応用する上で大変有益であり,その意義は大きい.磁気冷凍材料に一次相転移を示す物質を使うという考えはわれわれによって提案されているが,これまで室温磁気冷凍材料の候補となる物質はすべて一次相転移物質であり,またその中で日本の寄与が大きいことは特筆される.また本研究では一次相転移温度が上昇するとき磁気エントロピー変化が増大するメカニズムも解明することができた.このことは今後の物質開発においても有用であり,その学術的意義も大きいといえる.
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