研究課題/領域番号 |
19K05256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
大井 修一 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (10354292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 固有ジョセフソン接合 / ジョセフソン磁束 / パンケーキ磁束 / 磁気量子振動 / 磁気光学イメージング / 磁束量子 / Bi2212 / vortex / Josephson junction / SQUID / 銅酸化物高温超伝導体 |
研究開始時の研究の概要 |
層状高温超伝導体Bi2212単結晶では、幅数ミクロン以下まで微小化すると磁気抵抗測定により磁場が一本一本量子化されて侵入する様子を検知できる。さらに最近、単一孔導入により綺麗な磁気量子振動が現れることが分かってきた。様相は従来の超伝導量子干渉計(SQUID)と似ているが、メカニズムが異なり興味深い。 本研究では、両面微細加工により3次元的に試料形状を工夫すること、およびモードロック共鳴やノイズ測定等の動的測定により、この磁気抵抗振動と、誘起されたジョセフソン磁束やパンケーキ磁束の状態やダイナミクスの関係を理解し、新規な超伝導磁束量子デバイスへとつなげる。
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研究成果の概要 |
銅酸化物高温超伝導体Bi2212単結晶は原子層ジョセフソン接合(固有ジョセフソン接合)を内蔵する。接合抵抗は、パンケーキ磁束侵入に誘起されたジョセフソン磁束量子のダイナミクスと関係すると考えられるため、様々な形状に加工された微小Bi2212単結晶の面直磁気抵抗を測定し、磁束量子の配置や一本一本の侵入過程などの静的・動的情報を得ること、及び単一孔を導入することで現れる磁気量子振動現象について調べた。試料加工方法の探索のほか、磁気光学イメージングを用いた磁束状態の可視化や制御にも取り組み、異種超伝導体中の磁束量子によるBi2212磁束量子の制御の可能性を示すなどの成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
狭い領域に閉じ込められた相互作用する粒子系の普遍的性質を調べる上で、微小Bi2212におけるパンケーキ磁束およびジョセフソン磁束系は、固有ジョセフソン接合の電気特性を通してその状態を知ることができる独特な研究対象の一つである。様々な形状に加工されたBi2212単結晶の固有ジョセフソン接合特性を通して、2種類の磁束量子によって生み出される静的・動的な磁束の振る舞いについて理解を深めることができた。さらに、直接磁束状態を可視化する試みにより、磁束量子制御につながる成果を得ることができた。
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