研究課題/領域番号 |
19K05261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河内 泰三 東京大学, 生産技術研究所, 技術専門職員 (80401280)
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研究分担者 |
三浦 良雄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, グループリーダー (10361198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 表面磁性 / ノンコリニア磁気構造 / 表面磁気相転移 / 磁性薄膜 / 酸素欠陥 / 表面フェルベー転移 / 磁性 / 表面 / フォノン / ソフト化 / アモルファス / 鉄合金 / 磁気相転移 / 磁気異方性 / 表面界面磁性 / 界面磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
磁性体薄膜界面では、界面相互作用の結果、磁気相互作用がバルク中とは異なる。理論的に薄膜界面局在磁性の存在可能性が指摘されている。実験的に界面磁気構造解明は進んでいなかったが、我々は,メスバウアー分光に同位体積層法を組み合わせることで,深さを分解した“断面磁気観測法”を開発し、MgO基板上の鉄薄膜界面のノンコリニア磁性の観測できることを立証した。本研究では、次なる課題としてノンコリニア磁気構造発現・誘起の探索である。そのために鉄薄膜-誘電体界面を対象とし、誘電体分極を活用した界面ノンコリニア磁気構造誘起と相転移現象の観測、及び制御を行うことで、磁気構造と界面電子状態の相関を解明する。
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研究成果の概要 |
物質の表面・界面では、原子の電子状態の連続性に不連続が存在し、磁性体の表面・界面における磁気的性質は、バルクとは異なる磁気構造や磁気相転移を呈することが期待される。本研究では、我々が開発した,57Feメスバウアー分光に57Fe同位体積層法を組み合わせることで,深さを分解した“断面磁気観測法”を用いて、酸化鉄マグネタイト単結晶表面に、57Fe3O4をエピタキシャル成長させ、表面と単結晶バルクとの間で、磁気異方性と磁気相転移の描像の違いを実験的に確認に成功した。さらに第一原理計算を用いて、実験的に観測された磁気構造は、表面からバルクに連続的に変化するノンコリニア磁気構造を示唆することが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁性体薄膜界面では、基板との相互作用の結果、磁気モーメントと交換相互作用がバルク中とは異なる。このとき,磁気構造と磁気相転移の相転移温度、臨界指数は,薄膜全体にわたって一様であると、これまで考えられてきた。近年、界面では磁気相転移温度が膜内部と異なり上昇する可能性が理論的に指摘されている。即ち、薄膜界面局在強磁性が存在する可能性が指摘されている。本研究では,鉄薄膜-誘電体接合界面を対象として、誘電体分極を活用し、磁気相転移温度、臨界指数及び磁気構造に関して、界面から膜中に向かって深さ分解測定を行うことにより、薄膜界面磁性の磁気構造及び相転移現象を解明し、更にその制御性を探索する。
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