研究課題/領域番号 |
19K05262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小林 功佳 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80221969)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 光電子分光 / 理論 / 第一原理計算 / 原子層 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 角度分解光電子分光 / バンドの折り返し / 終状態 / 時間分解光電子分光 / 計算物理学 / 表面物理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、スピンおよび角度分解光電子分光(SARPES)の新たな計算法の開発とその応用を行う。SARPESは、固体表面の電子状態をスピンの情報も含めて詳細に調べることのできる実験方法であり、現在それを用いた研究が盛んに行われている。また、その計算方法については古くから研究されてきた。本研究では、従来の方法とは異なる新たな方法を開発し、それを最近盛んに研究が行われている表面系の計算に応用して新たな物理現象を理論的に探求する。
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研究実績の概要 |
本研究の内容は、スピンおよび角度分解光電子分光の新たな計算法の開発と応用である。研究期間全体を通じて実施した研究の成果は次のようである。まず、(1)時間反転LEED状態を用いた計算法を確立した。次に、(2)スピン偏極率の高率化を理論的に探索した。さらに、(3)遷移金属ダイカルコゲナイド薄膜の角度分解光電子分光で得られるエネルギーバンドに関する理論的研究を行った。(1)では、従来の光電子分光の計算では、KKRグリーン関数法を用いて計算がほとんどであった。この方法はやや複雑であり、計算プログラムを独自に作成するのは労力を要する方法である。本研究では、現在汎用に用いられている第一原理計算のプログラムパッケージを用いて計算した結果を用いて、簡単な計算により時間反転LEED状態を計算し、光電子分光の計算を行える方法を開発した。(2)では、鏡映対称性のある系のスピン角度分解光電子分光では、放出される電子のスピン偏極が100%になる現象が知られているが、この鏡映対称性のある状態は、表面2次元ブリアンゾーンの一部の領域にあり、100%偏極される電子も放出される電子のうちの一部である。本研究では、100%偏極される電子の数を増やすために、1次元ラシュバ系について理論的に研究した。その結果、放出される電子はすべての状態で100%偏極されるが、偏極の方向は2つに分かれるため、放出される光電子のエネルギーおよび放出される方向を選択することにより偏極率の高い電子を取り出せることがわかった。(3)では、自己インターカレートした遷移金属ダイカルコゲナイドであるV5Se8の単層構造の光電子分光の計算を行い実験結果と比較することにより、この単層構造の決定に役立てた。
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