研究課題/領域番号 |
19K05263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
源明 誠 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (70334711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 水構造 / 高分子界面 / 全反射吸収法 / 近赤外分光法 / ナノ・メゾスケール / 振動分光法 / 水の結晶化挙動 / 高分子表界面 / 水の結晶化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高分子-水界面の表面ナノ・メゾスケール領域を階層的かつin-situ測定が可能な温度可変開口型全反射中赤外分光装置を開発し,バルク水と高分子表面ナノ・メゾスケール領域の水の構造(結晶化挙動を含む物性)の相違を明らかにする。 バルクと表面をつなぐ表面ナノ・メゾスケール(十~百ナノメートル)領域は,現行の分析手法の空白領域であり,当該領域の水の動態を明らかにすることは,高分子表面特性の発現機構の解明,新規機能材料の開発指針の策定において重要な知見を与える。
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研究成果の概要 |
近赤外・中赤外領域における全反射吸収分光法により,高分子ブラシ内の水の構造を解析した。膜厚 70 nm,217 nm,1130 nmの高分子ブラシは,高圧下における原子移動ラジカル重合法により調整した。高分子水溶液との比較から,液体水接触により,含水率29 wt%に相当する水が高分子ブラシ内に浸透していることがわかった。また,近赤外吸収スペクトルから,水分子の回転運動は強く抑制されており,遊離の高分子水溶液10 wt%中の水の運動性と同程度であることが判明した。これは,高分子鎖片末端が固体表面に固定化により,高分子鎖の運動性が低下し,それに伴い,水分子の運動性も抑制されていることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの高分子表界面の水の構造解析は,和周波発生分光法によりなされてきたが,界面に限定された水のみの評価であり,厚みのあるメゾスケール領域の水構造の評価はなされてこなかった。本研究では,表界面 100 nmから500 nmの領域を限定的に評価できる近赤外領域の全反射吸収法を実現した。本手法により,近年注目されている高分子ブラシによる固体表面の機能発現に関与するとされる水をメゾスケールで評価可能となった。高分子表面の機能評価および機能発現に関与する水の動態の解明に寄与することができると期待される。
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