研究課題/領域番号 |
19K05277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
堀尾 吉已 大同大学, 工学部, 特任教授 (00238792)
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研究分担者 |
中原 仁 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20293649)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 反射高速電子回折 / 波動場 / オージェ電子 / プラズモン励起 / 中速電子回折 / 表面プラズモン / エネルギーフィルター / プラズモン損失 |
研究開始時の研究の概要 |
RHEEDの入射視射角を変えながら結晶表面からのオージェ強度の変化、すなわちBRAESプロファイルを測定すると強度異常が観察される。これは原子列上の入射電子波動場の強度振る舞いにより解釈できるものと考えられる。しかしながら、非弾性散乱電子の繰返しオージェ励起が無視できないため、十分な解明に至っていない。そこで入射電子のエネルギーを下げて非弾性散乱電子の繰返し励起を低減させたBRAES測定を行い、波動場の検証を行う。更に、表面プラズモン励起にも注目し、波動場との相関性を調べる。本研究では特に最近話題となっている基板面上の2次元結晶に焦点を当て、波動場の深さ方向と結晶面内方向の分布を検証する。
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研究成果の概要 |
反射電子回折法は入射電子が結晶表面で反射する電子の回折図形に注目するが、本研究は入射電子が結晶表面近傍で形成する電子密度分布(波動場)を実験及び計算を用いて検証するものである。入射電子のエネルギーを下げて非弾性散乱電子の繰り返しオージェ励起の割合を低減させたところ、オージェ励起の異常をより明瞭に捉えることができ、計算波動場との相関性を得た。また、入射電子の視射角を細かく変化させて鏡面反射電子のエネルギー損失スペクトルを計測したところ、プラズモン励起と波動場との相関性を初めて見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反射電子回折は観察時に励起されるオージェ電子を利用すれば結晶表面構造のみならず組成分析にも活用できる。オージェ強度は表面近傍の波動場の影響が考えられる。波動場の計算は弾性散乱電子を対象とするが、入射電子は高速電子ゆえに繰り返しオージェ励起が可能であり、非弾性散乱電子もオージェ励起に関与する。そこで入射エネルギーを下げて非弾性散乱電子の関与割合を抑制したところ、オージェ強度異常と波動場との相関性は明確になった。また、鏡面反射電子に含まれるプラズモン損失電子に対しても波動場との相関性が本研究で初めて調べられ、分析技術のみならず学術的にも意義深い成果が得られた。
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