研究課題/領域番号 |
19K05288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
田邊 健彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (30613989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 協定世界時 / 水素メーザー / 時刻系信号 / 深層学習 / カルマンフィルター / 原子時計 |
研究開始時の研究の概要 |
代表者所属の産総研計量標準総合センター(NMIJ)では、協定世界時UTCと約10nsの精度で同期した時刻系信号UTC(NMIJ)を運用している。我が国ではUTC(NMIJ)を基準とする周波数標準器が多数用いられており、同期精度の向上は重要な課題である。本研究では、深層学習を活用してUTC(NMIJ)のUTCへの同期精度を向上させることを目的とする。本グループには、UTC(NMIJ)の源振である水素メーザー(HM)とUTCの時刻差データの蓄積がある。そこで、過去のデータを用いた深層学習からHMの挙動を予測することで、より効率的にHMを運用し、UTC(NMIJ)のUTCへの同期精度の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
代表者が所属する産総研計量標準総合センター(NMIJ)が運用する時間周波数国家標準「UTC(NMIJ)」の、協定世界時(UTC、世界中で共有されている時刻の標準)への同期精度を向上させることを目的として、深層学習の活用する手法の開発に取り組んだ。この目的のために、UTCとHMの時間差を、「一次元畳み込みニューラルネットワーク」という深層学習の手法の一つを用いて予測した結果、それが時系列予測においてよく用いられる「カルマンフィルター」による予測よりも精度が良いことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
深層学習は近年様々な分野で応用され始めており、革新的な技術革新につながる可能性を秘めている。一方、正確な時刻を認識し共有することは、私たちの日常生活だけでなく、交通機関の運行スケジュール管理やGPS などの衛星測位システムなど、社会の根幹を支える様々な技術においても必要不可欠であり、その重要性は古来より論を待たない。本研究により、時間標準の高精度化に深層学習の手法が有用であることを示す初の成果が得られた。本研究が契機となり、時間標準だけでなく計量標準の高精度化において深層学習が普遍的なツールとなることが期待される。
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