研究課題/領域番号 |
19K05291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
奥津 哲夫 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (20261860)
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研究分担者 |
堀内 宏明 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (00334136)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膜タンパク質 / 結晶成長 / バクテリオロドプシン / 表面プラズモン共鳴 / 結晶化 / 金ナノ構造 / プラズモン共鳴 / 脂質立方相 / 金ナノ粒子 / 増強電場 / 光誘起結晶化 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、金の表面プラズモン共鳴による効果を用いてタンパク質の結晶化を行う。金ナノ構造のギャップモードのプラズモン共鳴を直線偏光により誘起すると、結晶が出現することを見いだした。図1に代表的な実験結果を示す。金ナノ構造が存在し、かつ光照射を行うと、溶液中にタンパク質の結晶が多数出現する。本研究ではその機構の解明を行う。次に、脂質を媒質として用いる膜タンパク質の結晶化にこの原理を適用し、新しい結晶化容器を設計する。膜タンパク質の結晶化法として有効な技術を提案し、創薬の研究に貢献することを目的とする。
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研究成果の概要 |
バクテリオロドプシンの結晶化を、金ナノ構造上で光誘起結晶化により行った。金ナノ構造はギャップモードのプラズモン共鳴が起こるようにした。結晶が出現しなかった試料に光を当てると結晶が出現した。光を当てると結晶のサイズが大きくなった。この理由を考察した。膜タンパク質は金ナノ粒子の表面に吸着する。ギャップモードのプラズモン共鳴が生じたとき、ナノ粒子の間に増強電場が発生し、光ピンセット効果が生じ、表面拡散したタンパク質分子がギャップにトラップされ濃縮される。結晶のサイズが大きくなったのは、結晶化する場所が限定され、大きくなったと考えられる。この結果から、膜タンパク質の光誘起結晶化が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜タンパク質は水に溶けず結晶化がきわめて難しい。今まで界面活性剤を用いて水に可溶化し塩析して結晶化する方法が提案されていたが、界面活性剤でタンパク質が変性するという問題があった。これを解決するため脂質中で結晶化する方法が提案された。本研究は脂質中での結晶化を、金のナノ構造上で膜タンパク質を吸着させプラズモン共鳴によりギャップに濃縮し結晶化させるものである。 膜タンパク質の結晶化が容易になれば、構造生物学の研究が容易に進むようになり、タンパク質の機能解明と、創薬の進歩が促進される。
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