研究課題/領域番号 |
19K05312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
須田 亮 東京理科大学, 理工学部物理学科, 教授 (80250108)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 蛍光顕微鏡 / 光活性型蛍光分子 / 多光子励起 / 逐次的過程 / 深部観察 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞や生体組織の深部における蛍光観察を実現するため、二光子励起顕微鏡において蛍光標識となる蛍光分子に光活性型蛍光タンパク質を用いる。蛍光分子の“ON”状態と“OFF”状態を二光子遷移により切り換えると、二段階の二光子過程、すなわち逐次四光子過程として蛍光発光することになり、背景光を十分に抑制した高解像度・深部観察が可能となる。本研究課題では、蛍光分子の分光スペクトルの取得、高速波長切り替え可能なイメージング装置の開発を実施した後、生体模擬試料を用いた実験によりその効果を実証する。
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研究成果の概要 |
二光子励起顕微鏡は生体組織の深部観察に適した手段であるが、生体組織による励起光および蛍光の散乱、背景蛍光の発生などが障害となり、観察可能な深さが制限されている。本研究課題では、励起光にパルス幅が10 fs以下の数サイクルパルスを用いて焦点外蛍光を抑制し、到達深度を伸長した。また、蛍光標識となる蛍光分子に光活性型蛍光タンパク質を用いて、逐次的多光子過程として蛍光発光させることにより、背景光の抑制を試みた。試料表面からどの程度の深さまで背景光が生じているかを検証するため、模擬試料としてアガロースゲルに埋め込むための光活性型蛍光タンパク質で染色した蛍光ビーズを新たに作成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
深部観察の障害となっている主な要因として、生体組織による励起光および蛍光の散乱、背景蛍光の発生などがあげられる。本研究では、焦点外蛍光の発生が励起光のパルス幅に依存することを見出した。マウス脳の深部観察において、120 fsの励起パルスよりも 8 fsの励起パルスで観察した方が到達深度が30%ほど大きくなり、これは同じ深さを観察するにあたり励起光の平均パワーを1桁低くしても済むという結果であり、蛍光プローブの褪色を抑制する上でも画期的である。また、光活性型蛍光タンパク質を用いた到達深度の伸長では大幅な改善が得られなかったものの、暗状態試料の作成と使用方法において多くの知見が得られた。
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