研究課題/領域番号 |
19K05313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹内 淳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80298140)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 半導体量子構造 / スピントロニクス / 化合物半導体 / スピン緩和 / 時間分解測定 / スピン偏極電子源 / スピン緩和時間 / 量子井戸 / 量子構造 / デバイス / ピコ秒 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体中の電子スピンの自由度を利用すれば従来のエレクトロニクスでは実現できなかった新しい機能をデバイスに付加できます。特に円偏光からスピン偏極電子への高効率の変換の実現は新たな光スピントロニクスデバイスの開発に重要です。また、この変換の実現によってスピントランジスタ等の動作実証に不可欠の高いスピン偏極率を持つスピン偏極電子の注入も可能となります。本研究は、半導体量子構造を用いて「円偏光」を「高いスピン偏極率を有するスピン偏極電子」に変換し半導体中に注入することを目的としており、本提案の半導体量子構造が実現されれば、スピントロニクスデバイス研究の飛躍的進展が期待できます。
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研究成果の概要 |
光励起によるスピン偏極率の向上と長寿命化を図るために、GaAs量子井戸の隣にAlGaAsバリア層を介してタイプII型AlAs量子井戸を積層したタイプII型トンネル双量子井戸のトンネル時間とスピン緩和時間を測定した。その結果、バリア層が異なるとスピン緩和時間の励起光強度依存性が異なることが明らかになった。また、III-V族化合物半導体のスピン緩和の知見を広げ長時間化をはかるためにGaAs/AlGaAs量子井戸のスピン緩和の井戸幅依存性、GaSb/AlSb多重量子井戸のスピン緩和、低温成長GaAsのスピン緩和の成長温度依存性、Beドープp型GaAsのスピン緩和のドーピング濃度依存性を調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体中のスピンの自由度を利用すれば従来のエレクトロニクスでは実現できなかった新しい機能をデバイスに付加できる。特に円偏光から長寿命のスピン偏極電子への高効率の変換の実現は、新たな光スピントロニクスデバイスの開発やスピントランジスタ等の動作実証に重要である。タイプII型トンネル双量子井戸において、バリア層を薄くしトンネル時間を速くすると、スピン緩和機構が抑制されてスピン緩和時間が長くなることが明らかになったことと、GaAs/AlGaAs量子井戸のスピン緩和時間の井戸幅依存性を調べて、井戸幅1.8 nmで400psの長いスピン緩和時間が得られたことは応用上の意義が大きい。
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