研究課題/領域番号 |
19K05325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
津島 悟 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任准教授 (80312990)
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研究分担者 |
鷹尾 康一朗 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00431990)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウラニルイオン / ペプチド / ウラン / 計算化学 / MD計算 / FMO計算 / アミノ酸 / 光化学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、対象とする生体分子をナノ孔に通して、その相互作用で発生する微小電流を観測することによって生体分子の塩基やアミノ酸の配列を決めるナノポアシーケンサーの分野の発展が目覚ましい。本研究においては、工学的に設計したペプチドに溶液中のウラニルイオンを選択的に捕捉させ、この溶液をナノポアシーケンサーに通すことで、地下水や飲料水中のウラン含有量を簡便に測定する手法を開発することを目的とする。ウランとペプチドの相互作用に関する学術的に新しい知見を得るとともに、それを即座に応用に繋げることが本研究の目標とするところである。本研究では、計算化学的手法を分子設計に採り入れることも大きな特色とする。
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研究成果の概要 |
本研究ではウラニルに対して親和性をより高めた新しいペプチドの提案を行った。そのペプチドのアミノ酸残基の配列はEQIAEFKEAFALCGKDGDGDITTKELGTCMRSLである(システイン二つはジスルフィド結合)。MD計算の結果によればこのペプチドはウラニルと4つのアミノ酸残基を通して結合し、その結果ウラニルは赤道面に水を配位しないで極めて強く結合するとともに、疎水性残基同士の相互作用も強く疎水性のコアを形成する。従って、従来提案されてきたCaM-Mxcシリーズよりも強い結合が期待される。この計算結果はFMO計算によっても補強された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ウラニルイオンに選択的なペプチドを新たに開発することができた。この成果によりウランとペプチドの分子レベルでの相互作用を系統的に明らかにすることができた上、ウランと生体物質の相互作用の礎となる知識を新たに蓄積できた。この知見を学界で広く共有することにより、この分野の新たな展開と発展への学術的貢献が実現できると考える。
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