研究課題/領域番号 |
19K05328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
遠藤 知弘 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50377876)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 未臨界 / 原子炉雑音 / 確率母関数 / 動的モード分解 / 即発中性子減衰定数 / データ同化 / ブートストラップ法 / 一点炉動特性 / 三次中性子相関法 / 実効中性子増倍率 |
研究開始時の研究の概要 |
詳細な情報(幾何形状・核種組成)が不明あるいは不確かさが大きな核燃料を含んだ体系において、体系の未臨界度(どれだけ臨界未満なのかを示す指標)を測定する手法として、本研究では以下の研究に取り組む。 ①原子炉雑音(中性子計数の統計的揺らぎ)の情報から、体系が臨界近傍か否かを判断する手法を開発し、実証試験を行う。 ②過渡変化時における中性子計数率の時系列データの情報から、不確かさが大きな体系において未臨界度を概算する手法を開発し、実証試験を行う。 ③複数の中性子検出器信号から、体系固有の基本モード成分に相当する測定量を抽出する手法を開発し、体系固有の測定量を活用して不確かさを低減可能か検討する。
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研究成果の概要 |
未臨界体系の炉雑音測定で得られた(n次中性子相関量)/(2次中性子相関量の(n-1)乗)の比が、臨界状態に近づくにつれ、体系の組成・幾何形状に依らず臨界固有の値(2n-3)!!となる性質を、中性子検出数の確率母関数に基づき理論的に解明した。また、反応度や外部中性子源強度の過渡変化時に測定した中性子計数率の時間変化から、ドル単位未臨界度を概算する手法として時間領域分割積分法を考案し、国内の実験施設にて提案手法を実証した。 中性子検出器を複数配置したパルス中性子法やRossi-α法の測定結果に対して動的モード分解を適用することで、基本モードの即発中性子減衰定数が頑健に推定可能であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
測定体系の詳細情報が不明であっても、定常状態における炉雑音測定結果から「中性子相関量の比と臨界固有の値(2n-3)!!の差」を調べることで、測定体系が深い未臨界状態にあるか否かの判定や、未臨界度の深さを概算できる可能性がある。また、本研究で新たに提案した時間領域分割積分法は、反応度だけでなく中性子源強度も同時に変化するような、燃料取出時の未臨界度測定技術として活用できる。 動的モード分解を適用することで、即発中性子減衰定数αの測定結果が検出器位置に依存する問題を解決できる。本研究成果は、体系固有のα測定結果を活用したデータ同化による、評価済み核データや核特性予測結果の不確かさ低減に貢献できる。
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