研究課題/領域番号 |
19K05332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大石 佑治 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (20571558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 溶融ZrO2 / ガス浮遊法 / ZrO2 / 異常液体 / 熱膨張率測定手法 / Molten Zr1-xOx / Levitation technique / Viscosity / Aerodynamic levitation / Electrostatic levitation |
研究開始時の研究の概要 |
ZrO2の液相は、極めて低いガラス形成能や特異な局所構造を有する興味深い物質であり、その特異な性質に起因する非常に低い粘性が予想されている。しかし、ZrO2の融点の高さから物性測定が困難であり、測定値は報告されていなかった。そこで本研究では、ZrO2の特異な性質と酸素組成との関係についての知見を得ることを目指し、酸素量が多い組成では酸化物に適したガス浮遊法を、酸素量が少ない組成では金属に適した静電浮遊法を用いることでZr-O系の液相の物性(粘性と密度)が酸素組成に対してどのように変化するのかを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
ZrとZrO2をガス浮遊法により溶融凝固させて凝固試料の形状を評価した結果、Zrは球状であるのに対しZrO2では突起が生じることが明らかとなった。このような突起はガス浮遊法で溶融凝固させたAl2O3やFe、Ni、Cu、Pd、Pt、Auでは見られなかった。一方で、固相の方が液相よりも密度が低いために凝固時に体積が膨張することが知られているSiやGeでは同じような突起の生成が確認できた。これは、ZrO2は凝固時に膨張するという特徴を有していることを示している。凝固時に膨張する理由としては、固相の方が液相よりも密度が低いことや顕著な気泡の生成が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Zrは軽水炉の被覆管として広く使用されている元素である。また、Zrの酸化物であるZrO2は2700 ℃以上の高い融点を有しており、るつぼや耐火壁等として用いられている。ZrやZrO2の溶融物は原子炉の炉心溶融事故の際に生じると考えられており、その性質の解明は重要な課題である。本成果により、溶融したZrとZrO2の凝固時の挙動は大きく異なっており、ZrO2は凝固時に体積が膨張するという特徴を有することが明らかとなった。これはZrO2の液相と固相の密度差や凝固時の気孔の生成といったことが原因であると考えられ、炉心溶融事故における炉心溶融物の挙動評価の高度化に資する情報であると考えられる。
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