研究課題/領域番号 |
19K05337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
高倉 健一郎 熊本高等専門学校, 電子情報システム工学系TEグループ, 准教授 (70353349)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 放射線照射 / ガンマ線 / 廃炉ロボット / 電子デバイス / 放射線損傷 / 廃炉問題 / 半導体素子の耐放射線性 / 放射線 / 電子回路 / 耐環境強化 |
研究開始時の研究の概要 |
福島第1原子力発電所の廃炉作業推進のために、放射線耐性を向上させた電子回路開発を目的とする。電子素子は放射線耐性が低いと考えられているが、研究代表者らの研究では放射線耐性の高い素子も多いことを明らかにしている。そこで、本研究では以下を実施する。 ・種々電子素子の放射線耐性評価より、耐性の高い素子を選択、電子回路を作成 ・放射線耐性の低い素子を使わざるを得ない場合、その素子に補償回路を導入 ・開発した回路の放射線照射試験を実施し、廃炉現場で要求される放射線被ばく総量 に回路が耐えられることを実証 本課題の開発の成果は、ロボット開発の自由度を広げ、廃炉進捗に大きく貢献できる。
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研究実績の概要 |
電子機器の放射線環境下における動作不良が、福島第1原子力発電所の廃炉作業で問題となっている。特に半導体機器は、放射線照射により電気特性の劣化、損傷を受けやすいとされており、本課題では、炉内で活動するロボット開発を目的として、ロボットに搭載するマイコンを中心に放射線耐性の評価を行った。 開発している原子炉内探査ロボットの駆動回路制御にはマイコン(Raspberry Pi)を使用している.原子炉内探査ロボットの駆動回路制御のマイコンであるRaspberry Piと起動のために必要なフラッシュメモリの放射線耐性を明らかにし,利用できる半導体素子について調査する必要がある.評価する試料へのガンマ線照射は,高崎量子応用研究所の60Co(コバルト60)照射施設を利用した.microSDカードには,照射線量率0.1 kGy/hのガンマ線を室温で0.2,0.4,0.7及び1.0 kGy照射した. 古い規格のmicroSDカードにはあまり放射線耐性がないことがわかった.起動できたメモリは5種類あったが,どれも0.2 kGyまでの耐性しかなく高い放射線耐性があるとはいえない結果であった.放射線照射後にRaspberry Piの起動ができなかったmicroSDカードについてWindows PCを使用した内部データの確認と比較を行った.その結果,先行研究の結果と同様に,照射後のいくつかの試料はデバイスのドライバが破損したことによりmicroSDカードとして認識ができなくなるといった状態であることが分かった.これは,放射線による主な影響であるトータル・イオン・ドーズ効果によるものだと考えられる.照射線量が大きいと動作をしなくなるものがほとんどであった.そのため,ある一定の放射線量を超えると放射線の影響は確実に内部のデータを破損させmicroSDカードの使用が不可となることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による研究設備の利用制限の影響により進捗が遅れたが、実施計画通りに課題推敲している。
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今後の研究の推進方策 |
マイコンおよびメモリ素子の放射線耐性を評価し、原子炉内に生じている放射線環境でも一定期間はロボット活動が可能であることを確認することができた。長期間の廃炉作業を実現するためには、より放射線耐性の高い素子を見出す必要がある。専用の素子開発には費用と時間を要するため、短期間でのロボット開発には、民生機器の中から放射線性の高いものを選択することが重要である。本課題を通して、個々のマイコンやメモリで放射線耐性は大きく異なることが明らかになった。特に、現在、情報を記録するメモリとして大部分を占めているフラッシュメモリは放射線耐性が低く、マイコンの動作不良の原因であることが分かった。フラッシュメモリは、集積度により素子構造や読み書きの方式が異なっているため、放射線耐性が高い構造や読み書き方式などについて、さらに知見を深めることが重要であると考えている。
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