研究課題/領域番号 |
19K05340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
下条 晃司郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (50414587)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 溶媒抽出 / テクネチウム / レニウム / 新規抽出剤 / 金属分離 / 新規配位子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は放射性オキソアニオンである99TcO4-を多点における三次元的な相互作用によって特異的に認識可能な抽出試薬を合成し、高効率な抽出分離システムを開発することである。従来の研究では、99TcO4-は電荷密度が小さく、強い水和や条件によって多様な化学種をとるなどの理由から、99TcO4-を精密に認識する配位子を開発することが難しいとされてきた。本研究では99TcO4-を四面体構造の大きなアニオンとしてとらえ、静電的相互作用に加えて多点の水素結合が作用するようなC3対称性の配位子を合成し、99TcO4-の高効率な抽出分離、抽出メカニズム、抽出錯体の構造を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では長寿命放射性核種(半減期21.1万年)である99TcO4-の高効率な抽出分離システムの開発に挑戦した。3級アミンに3つのジオクチルアミドを修飾した三脚型配位子HONTAを用いて、99TcO4-とReO4-の抽出実験を行った。その結果、HONTAは99TcO4-とReO4-を定量的に抽出可能であり、高い抽出能力を示した。また、HONTAによって抽出された99TcO4-とReO4-は中性水溶液を用いることで容易に逆抽出が可能であり、正抽出と逆抽出を5回繰り返してもHONTAの抽出能は衰えず、繰り返し利用が可能であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長寿命放射性核種99Tcは、使用済み核燃料1トンに0.84 kg (5,200億Bq)含まれると推定されている。本研究では大量に蓄積された99Tcの処分問題を解決するため、99Tcの高効率な抽出分離システムを開発した。一方、99Tcは水溶液中で99TcO4-として存在する。99TcO4-はサイズが大きいため電荷密度が小さく、強い水和や多様な化学種・配向性をとるなどの理由から、99TcO4-を精密に認識する配位子を設計することが難しい。本研究では99TcO4-を多点における三次元的な相互作用によって特異的に認識可能な抽出試薬の合成に成功し、学術的価値も高い。
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