研究課題/領域番号 |
19K05350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
木下 尚樹 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (30263958)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 氷飽和度 / ガス浸透性 / 弾性波速度 / 凍結ベレア砂岩 / 岩盤タンク / 天然ガスハイドレート / ベレア砂岩 / ガス浸透 / P波速度 / 砂岩 / 低温 / 湿潤 / 低温下挙動 / 流体透過性 / 固有浸透率 / 亀裂性岩盤 / 透水 / 二層流 / 低温岩盤挙動 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国周辺に賦存する中小天然ガス田開発の関連技術として,天然ガスハイドレート(NGH)輸送の構想がある.NGHは大気圧下-20℃で安定し長期備蓄が可能であることから,石油等で採用されている岩盤タンク備蓄方式を提案する. 本研究では低温下における岩石亀裂の気・液浸透特性,力学・変形特性を実験により精密に評価,把握し,それらを踏まえた岩盤タンクの挙動,堅牢性,気密性評価を数値解析により実施する.低温物質の岩盤タンク備蓄は世界的にも設計・評価法は確立しておらず,本研究により岩盤タンク設計のための指針を示すことは非常に意義のあるものである.本研究の成果によりNGHの岩盤備蓄実現をめざす.
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研究成果の概要 |
低温下で砂岩のガス浸透実験を行い,浸透率に及ぼす氷飽和度の影響を評価した。結果,浸透圧の増加に伴い,浸透率が減少する傾向が確認された。また,20度で測定された初期浸透率と比較し,-20度で測定された浸透率は小さい値を示した。氷飽和度の増加に伴い浸透率が減少することが確認され,推定した空隙占有比が0での浸透率は水の浸透実験から求めた浸透率とほぼ一致していた。 つぎに弾性波伝播速度を測定し,P波速度と氷飽和度の関係を見出し,実験結果を考察した結果,P波速度は,氷飽和度の増加と調和しており,空隙占有比が70%以上では2倍となった。また,空隙率が0.1~0.2の範囲では,実験値は推定値の範囲内であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
岩盤タンク方式では地下水により石油および石油ガスを封じ込め,気密性を保つ水封式が取られ,そのシステムは確立されている。この方式は,必要な土地面積が少ない,地震,落雷など自然災害に強い,漏出,拡散の危険性が低い,景観への影響が少ないなどのメリットを持っている。ただし,NGHを地下岩盤タンク内に備蓄する新たな技術の確立のためには,低温下における岩盤の気・液浸透特性,力学・変形特性を精密に定量評価,把握することが必要であり,岩盤タンクの挙動,堅牢性,気密性の評価技術が不可欠となる。本研究成果はこれらの基礎的資料となるものであり,本研究により社会実装に向けて技術が向上したと考えられる。
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