研究課題/領域番号 |
19K05352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菅井 裕一 九州大学, 工学研究院, 教授 (70333862)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 金 / バイオリーチング / ヨウ化物 / ヨウ素 / 三ヨウ化物 / ジヨード金酸 / 微生物 / 原位置バイオリーチング / ヨウ化物酸化細菌 / 浸透率 / シミュレーション / コア試験 / Monodの式 / 水溶性天然ガス田 / ヨウ化物酸化微生物 / 原位置 |
研究開始時の研究の概要 |
国内天然ガス田で採取した地下水からヨウ化物酸化微生物を単離し、金の原位置バイオリーチングに有望な微生物株をスクリーニングする。有望株のヨウ化物必要下限濃度、栄養源の種類と濃度、酸素要求性ならびに生育温度範囲を実験的に求め、その利用条件を明らかにする。さらに、金鉱石コアに有望株を培地とともに注入し、その原位置金浸出効果を評価する。最後に、申請者が現有する油層シミュレータに有望株の増殖、栄養源消費およびヨウ化物の酸化挙動を表す数式を導入し、本手法のシミュレーションモデルを構築する。フィールドスケールの数値実験を実施し、金の回収量と投じたコストの収支から、本手法の経済性を評価し、実現可能性を示す。
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研究成果の概要 |
本研究では、金鉱石から金を浸出させるヨウ素を生成するヨウ化物酸化細菌を用いて、地下原位置で金を浸出させ、その浸出液を地上に回収する金の原位置回収技術の確立を目標としている。ヨウ化物が豊富に含まれる我が国の水溶性天然ガス田において8株のヨウ化物酸化細菌を分離し、このうち3株が金鉱石に含まれる9割以上の金を浸出させ、最も優れた菌株は5日間で9割以上の金を浸出させた。また、ヨウ化物酸化細菌の金浸出に最適な培養条件を検討して明らかにした。さらに、同微生物の増殖、ヨウ化物酸化挙動ならびに金浸出挙動を表わす数値モデルを構築し、ヨウ化物酸化細菌を用いた金の原位置回収技術に関する数値シミュレーターを開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果によれば、1gの金を浸出するのに必要十分なヨウ化物と栄養源に係るコストは約3,600円と試算され、経済性についても本技術の可能性が示された。さらに栄養源として用いた成分は海水に類似しており、それらを海水で代用できれば、さらなるコストダウンが可能となり、より現実的な技術となりうることを示している。これまで、地下原位置リーチングの研究対象は専らウランならびに銅に限られていたが、本研究に用いた微生物を利用するマイルドな条件下での金浸出であれば原位置でのリーチングに適用可能であり、金の地下原位置リーチング技術研究を大きく進展させる意義深い研究成果を得ることができた。
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