研究課題/領域番号 |
19K05364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山田 篤志 筑波大学, 計算科学研究センター, 主任研究員 (10390676)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 光‐金属相互作用 / 分子シミュレーション / 金属ナノ粒子 / 溶媒効果 / プラズモン共鳴励起 / 自由電子 / エネルギー緩和 / Maxwell方程式 / 分極力場 / 分子振動分光 / 分子動力学シミュレーション / 振動分光測定 / 分極力場モデル / 分光測定 / マルチスケールモデル |
研究開始時の研究の概要 |
光と分子の両方の動きを同時に記述する新しい計算化学シミュレーションを確立し、光を用いた分子や物質の分光測定シグナルをシミュレーションでリアルに再現する手法を開発する。入射パルス光が分子系と相互作用することにより、変形したパルスが反射あるいは透過波シグナルとして得られる、という実験系を模倣した直接的な計算で"測定"することが特徴である。特に比較的計算が安価な分子のモデル(分極力場モデル)を採用することにより様々な系に適用が可能となる。赤外・テラヘルツ分光やラマン分光実験のシミュレーションを行い、分子の運動を分光シグナルと結び付けて微視的なダイナミクスを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本課題では、光と分子(物質)の相互作用を力場モデルの枠組みで記述する光・分子動力学統合の計算化学の開発を目指している。昨年度までは分極力場を用いることにより分子シミュレーションとMaxwell方程式をマルチスケール化モデルの利用により統合したMaxwell+分極力場MD法を開発し、分子性固体のテラヘルツ分光への適用研究を行った。今年度はフォトニクス研究や最近の分光実験で重要な金属へと対象を広げるため、可視領域での溶液内金属の光学応答を記述することができる分子シミュレーションを開発した。金属の光学特性は自由電子に由来するため、固定点電荷や断熱的な電子分極を表現する従来の力場モデルでは吸収を伴う可視光との相互作用を記述することができない。本課題では、金属内自由電子の古典運動ならびに光振動電場を分子シミュレーションの枠組みに組み入れることにより新たな計算手法:古典電子・分子動力学法を構築した。さらに分極可能モデルの溶媒分子を配置することで、溶液との相互作用を含む光応答が記述可能になる。本手法を用いて、(i)鏡像関係を満たす金属の電荷分布、(ii)バルク金属の誘電関数、(iii)水溶液中の金属ナノ粒子の吸収スペクトル、(iv)可視光照射によるプラズモン共鳴励起と熱・エネルギー緩和過程、が再現できることを実証した。すなわち、光-金属相互作用の非断熱的な時間発展を力場レベルの計算化学で実現した。
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