研究課題/領域番号 |
19K05366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中林 耕二 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80466797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 分子磁性 / ホスト-ゲスト化学 / 分子磁性体 / ホスト‐ゲスト化学 / ホストーゲスト化学 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノサイズの細孔中に取り込まれた分子は、細孔内の特異なパッキングや細孔内壁からの電子的、構造的影響から、バルクとは異なる性質を示すことが知られている。本研究では、ナノチャンネル構造を持ったホスト磁性体(ナノチャンネル強磁性体)を用いて、ナノ空間だけでなく、ナノ空間に生じた磁場も考慮した“ナノ磁場空間”に置かれたゲスト分子やイオンの挙動を明らかにすることを目的としている。ナノ磁場空間というこれまでにない研究分野を開拓し、ゲスト分子の振舞い、特にスピン挙動に対するナノ磁場空間の寄与を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究課題において、ゲスト溶媒分子としてアセトンを含有するナノチャンネル強磁性体を合成し、アセトン脱離により、ナノチャンネルが開いた構造から閉じた構造へと大きく変化することを見出した。また、その構造変化に伴い、磁気ヒステリシスも保磁力が大きな状態から非常に小さい状態に変化することを明らかにした。結晶を用いた磁化測定および第一原理計算より、結晶構造のab平面(ナノチャンネルに対して垂直方向)が磁化容易方向であり、c軸方向(ナノチャンネルに対して同方向)が磁化困難軸であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で見出した、ボトムアップ的合成手法により構築したナノチャンネル強磁性体は、従来の金属、金属酸化物からなる強磁性体にはない1 nm程度の規則配列したナノチャンネル構造を有し、また、そのナノチャンネル構造がゲスト分子に依存して柔軟に変化する新しい強磁性物質である。ナノ構造とバルク磁性の関係性、本研究課題ではナノ構造体の示す磁気異方性に関する知見は、分子磁性体分野だけでなく、従来の金属、金属酸化物磁性体やコンポジット磁性体のナノ構造と磁性の関係性にも波及し得る可能性を秘めており、ナノ構造磁性体分野の発展に繋がることが期待される。
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