研究課題/領域番号 |
19K05374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山崎 勝義 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (90210385)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | レーザ分光法 / レーザ誘起蛍光法 / 2光子励起 / 真空紫外発光 / 電子消光 / レーザ誘起発光法 / 原子検出 / レーザ誘起発光 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザの登場以後,複数の原子検出手法が開発されてきた。しかし,現在主流である,紫外2光子吸収後の赤外発光を検出する方法は感度が低い。本研究は,酸素,窒素,ハロゲン原子の紫外2光子励起後に生じうる真空紫外発光の観測を実現し,検出感度を赤外観測法よりも2桁以上向上させることを目標としている。本研究により,大気,燃焼,プラズマ系の反応解析や診断が格段に容易になり,測定精度の劇的な向上による学術的波及効果が期待できる。
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研究成果の概要 |
酸素(O),硫黄(S),塩素(Cl),臭素(Br)の各原子を紫外2光子励起し真空紫外発光により高感度検出する方法の新規開発に成功した。酸素原子と硫黄原子については,2光子励起準位のHeとN2による総括消光速度定数および状態選択的消光速度定数を決定した。塩素原子と臭素原子については,それぞれ25本の許容遷移について検出を試み,塩素原子は18本,臭素原子は20本の検出に成功した。検出できなかった遷移のうち4本は2つの原子に共通であり,すべて4重項状態であることから,スピン-軌道相互作用が大きいハロゲン原子でも完全にはスピン禁制が破れていないことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸素原子,塩素原子,臭素原子について,過去に例がない2光子励起真空紫外発光検出法を確立し,赤外発光を検出する従来法の検出限界濃度10^13 cm-3よりも約2桁低い濃度(10^11 cm-3)の検出を目標どおり実現できたことは,燃焼化学,大気化学,プラズマ化学の研究において精緻な観測や診断が可能になる意味で工学面での学術的成果である。また,2光子励起準位の消光過程について総括速度定数だけでなく,特定の状態間の消光過程の分岐比を決定する方法論を確立し測定に成功したことは理学面での大きな学術的成果である。
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