研究課題/領域番号 |
19K05375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
麻田 俊雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10285314)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 分子分極 / 原子分極 / 自由エネルギー / 反応経路 / カルバペネマーゼ / メロペネム / 機械学習 / ランダムフォレスト法 / 耐性菌による抗生剤分解反応 / ビシン / 分子動力学シミュレーション / 自由エネルギープロファイル / 成分分割 / 分子設計 / 自由エネルギー寄与分割 / 反応制御 / 電荷原子双極子応答核 / アロステリック効果 |
研究開始時の研究の概要 |
酵素反応の反応メカニズムを理解し制御することは極めて重要な課題である。本研究では、耐性菌が産生する抗生剤分解酵素カルバペネマーゼの分解反応に対して、高速かつ高信頼性を有する計算手法である応答核を用いて反応経路最適化を行い、周辺残基からの寄与を明らかにする。また、機械学習を活用した構造揺らぎを含む多次元統合解析を行い、活性化障壁の支配因子に基づく分子設計と反応制御を目指す。反応の自由エネルギープロファイルを解明するとともに、分解を抑制する分子設計と反応制御を目指す。
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研究成果の概要 |
自由エネルギー勾配を求める分子シミュレーション手法と反応経路最適化法を組み合わせることで、多剤耐性菌に対する最後の切り札として期待されているカルバペネム系抗生物質の一つメロペネムを分解する、耐性菌が生み出すカルバペネマーゼによる分解反応メカニズムを解明するとともに、酵素を構成するアミノ酸残基の反応自由エネルギー障壁への定量的な影響を明らかにした。細菌が生み出す酵素の組成を改変することはできないが、産生された酵素内の各アミノ酸からの電場等を外場としてとらえることで、それを打ち消すことができる薬剤設計への指針を提唱することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
独自の反応経路最適化法と各アミノ酸からの反応自由エネルギー障壁への寄与解析により、全アミノ酸残基からの定量的な影響を解明することに成功した。新しい多剤耐性菌は今後も次々と未知の細菌によって生み出させることが想定される。しかしながら、本研究手法の汎用性の確立によって任意の酵素による抗生剤分解反応を阻止するような分子設計に直結し、経済的にも社会的にも大変有意義なものとなったと結論づけることができる。
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