研究課題/領域番号 |
19K05376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
河合 明雄 神奈川大学, 理学部, 教授 (50262259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ラジカル反応 / パルスESR / 時間分解ESR / スピン分極 / 反応速度定数 / 時間分解ESR / パルスESR / ラジカル付加反応 / フラーレン / オレフィン誘導体 / ラジカル / 光分解 / 水素引き抜き反応 / レーザー / 電子スピン分極 / スピンエコー |
研究開始時の研究の概要 |
ラジカルは、重要な反応中間体として人類に有益で広範な化学に関わっている。従って、ラジカル反応の速度定数を正しく計測することが、ラジカル反応の開拓やラジカル消去剤選定などで欠かせない。本研究では、液相中の様々なラジカル反応速度定数を単純な解析法で測定する先端的ESR法を開拓する。そのために、測定高感度化のためのスピン分極したラジカルの生成法開拓、速度定数決定のためにスピンコヒーレンスを利用した2つの測定法の開拓を行う。また、開拓した方法の実用性を示すため、フラーレン類によるラジカル消去反応などの正確な速度定数測定を行う。その成果をもとに、汎用性の高いラジカル反応速度測定法の発展を議論する。
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研究成果の概要 |
ラジカルとオレフィン類の液相における反応速度定数を正確に測定することを目指した研究を行った。始めに高感度でラジカルを測定するための実験手法として、オキシムエステルの光分解によるスピン分極したフェニルラジカル生成を利用する方法を開拓した。次にラジカル反応の速度定数を測定する2つのパルスESR測定方法を検討した。1つはラジカルのスピンエコーを観測する方法で、既存で研究途上にあった方法をさらに発展させた。もう1つは自由誘導減衰FIDを観測する方法で、本研究が始めて開拓したものである。これら2つの方法を併用し、フラーレンのラジカル消去など、実用化された重要物質の反応系で、速度定数を決定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラジカルは、反応活性の高い化学種であり、活性酸素反応や光重合、高分子のグラフトなど、人類の活動に大きく関わっている。従ってラジカル反応の速度定数を正確に知ることが重要である。しかしながら、ラジカルは短寿命であるため、網羅的に観測対象とできる時間分解計測手法がなかった。本研究は、この状況を打開すべく、ラジカルのスピン分極を利用する測定感度の改良、およびパルスESRを用いたラジカルのスピンコヒーレンス生成を利用した独創的な速度定数決定法の開拓を行った。これにより、具体的にはラジカル消去剤として知られて様々な製品に用いられているフラーレンに対し、正確なラジカル消去速度定数を決定することができた。
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