研究課題/領域番号 |
19K05377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
長澤 裕 立命館大学, 生命科学部, 教授 (50294161)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 超高速分光 / 時間分解分光 / 過渡吸収スペクトル / 光異性化 / 無輻射失活 / ソルバトクロミズム / 互変異性化 / コヒーレント振動 / 励起状態ダイナミクス / 電荷分離反応 / 核波束運動 / コヒーレンス / 電子移動 / フォトクロミズム / サーモクロミズム / 互変異生体 / 電荷移動 / 互変異性体 / 光異性化反応 / 超高速時間分解分光 / 縮退四光波混合 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、超短パルスレーザーを用いた時間分解非線形分光法を用いて短寿命互変異性体の研究を行います。パルスレーザーとは、高速な光フラッシュのようなもので、これにより化学反応の時間変化を測定する学問分野のことを時間分解分光学といいます。また、互変異性体とは、全体としての分子式は共通ですが、構造が微妙に異なる分子のことで、その分子構造は高速に変化します。互変異性体は化学反応の中間状態となり得るので、化学反応がどのように起こるか観測し、その反応メカニズムを解明するのがこの研究の目的です。
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研究成果の概要 |
フェムト秒時間分解分光により、以下の2つの研究成果を論文として発表した。 1) 色素フェノールブルーはプロトン供与性溶媒中で、励起状態より超高速の無輻射失活を起こし、吸収した光エネルギーを熱として放出し、溶媒との水素結合が開裂することを解明した。【C. Ota, et al., J. Phys. Chem. B, 125, 10832 (2021)】 2) インジゴ誘導体の光異性化反応について、トランス体よりもシス体の励起状態は、隣り合うC=O基の反発により不安定であることを解明した。【Y. Kihara, et. al., J. Phys. Chem. B, 126, 3539 (2022)】
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の光合成系では、光化学系Ⅱ反応中心において、水が酸化されて酸素が発生する。この際、水・アミノ酸残基間の水素結合がプロトン移動を媒介する。よって、光反応に付随した水素結合の挙動について検証することは非常に有意義な研究である。また、異性化反応は光合成とは直接の関連はないが、ハロバクテリアのの光エネルギー変換機構として、バクテリオロドプシンによるプロトンポンピングの素過程として重要である。現在、環境問題の観点から、火力や原子力に代わるエネルギー源の開発が急務となっているが、新たな効率的光エネルギー変換機構の開発には、光化学反応ダイナミクスの解明が重要であり、欠くことのできない基礎研究である。
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