研究課題/領域番号 |
19K05380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大谷 優介 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (70618777)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トライボロジー / 反応分子動力学法 / 第一原理分子動力学法 / 炭化ケイ素 / ダイヤモンドライクカーボン / トライボケミストリー / 摩擦 / 水潤滑 / 密度汎関数強束縛分子動力学法 / 密度汎関数強束縛法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、摩擦が潤滑フィルムの自己形成を誘起し、フィルムの摩耗と自己修復を繰り返しながら超低摩擦を発現する現象が報告されており、潤滑油を用いない新しい超低摩擦技術として注目されている。これまでの我々の分子動力学シミュレーションから、自己形成過程における化学反応が明らかになりつつあるが、大規模なシミュレーションを要する自己修復過程は手付かずであった。そこで本研究では、大規模計算が可能な反応分子動力学法を導入することで自己修復を担う化学反応を明らかにし、超低摩擦技術に向けた摩擦界面設計の学理を構築することを目的とする。これにより、潤滑油を使えない機械の低摩擦化に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、分子動力学法に基づく摩擦シミュレーションにより、摩擦界面で起こる原子スケールの現象の解析を行なった。電子状態を考慮した高精度な第一原理分子動力学シミュレーションから、摩擦界面で力学的に誘起される化学反応のダイナミクスを明らかにするとともに、電子状態の違いがもたらす材料の摩擦特性の違いを明らかにした。さらに、大規模シミュレーションが可能な反応分子動力学シミュレーションから、摩擦界面で誘起される化学反応が、潤滑フィルムの自己形成、摩耗、自己修復過程をもたらすメカニズムを原子スケールで明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の類似研究では、摩擦界面での化学反応ダイナミクスのみに焦点が当てられていたのに対し、本研究では潤滑フィルムの自己形成、摩耗、自己修復メカニズムまでも対象として研究を行なった。これにより、摩擦界面で力学的に誘起される化学反応が超低摩擦をもたらすメカニズムが明らかになり、実際の摺動材料や摩擦システムの設計・開発にダイレクトに寄与できる摩擦界面の学理を構築することができた。これらの成果から、今後、摩擦界面での化学反応を積極的に利用した新しい摩擦低減技術の展開が期待できる。
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