研究課題/領域番号 |
19K05382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
城田 秀明 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (00292780)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | フェムト秒ラマン誘起カー効果分光 / イオン液体 / 低振動数スペクトル / 分子間振動 / 液体物性 / 溶液 / 分子液体 / リドカイン塩酸塩水溶液 / 低振動数ラマンスペクトル / テラヘルツ時間領域分光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,環境や安全性の点から近年注目されているイオン液体の分子間振動を時間領域低振動分光で測定する。イオン液体の特徴的な性質は分子間相互作用・運動に依るところが大きい。分子間振動は微視的な分子間相互作用・運動のプローブとなるため,その評価を行うことはイオン液体の本質的な理解に繋がる。そこで,イオン液体の(i)分子間振動スペクトル,(ii)分子間振動バンドの振動周波数と液体バルク物性因子との関係,(iii)分子間振動の分極率と双極子応答,について一般的な分子液体や芳香族と非芳香族性イオン液体の比較を行い,分子間相互作用・運動にどのような特徴があるのか,という根本的な疑問点を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の最大の成果は,フェムト秒ラマン誘起カー効果分光装置を使って,40種類の非芳香族カチオン系イオン液体の低振動数ラマンスペクトルの測定を行い,データ集的な論文を発表できたことである。これにより,2016年に報告した40種の芳香族カチオン系イオン液体の低振動数ラマンスペクトルのデータ集的な論文と併せることで,イオン液体の分子間振動に関して,構成イオンの影響や全般的な理解を世界に先駆けて進めることができた。また,イオン液体の低振動数スペクトルの温度依存性および分子液体とイオン液体の低振動数ラマンスペクトルについて,それぞれ総説として書籍の1章として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の大きな成果である40種の非芳香族系イオン液体の低振動数ラマンスペクトルの膨大なデータの報告は,世界的に初めてのものである。このような膨大なデータに基づいた俯瞰的な視点により,イオン液体の低振動数スペクトルについての分子レベルに基づいた理解が可能となった。よって,液体・溶液分野,物理化学分野,材料科学分野において重要な財産ともいえるものである。また,本研究期間において,イオン液体の低振動数スペクトルの温度依存性および分子液体とイオン液体の低振動数ラマンスペクトルについて,それぞれ総説として書籍の1章として発表できたことは,広く社会にその研究成果を還元できたと考える。
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