研究課題/領域番号 |
19K05384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
鳥居 肇 静岡大学, 工学部, 教授 (80242098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 構造形成 / ハロゲン結合 / 水素結合 / 電子密度 / 振動分光 |
研究開始時の研究の概要 |
異種分子の相互作用による構造形成について,(A) そうした構造形成の様相を予測し得る能力の向上,(B) 構造形成と分光シグナルの対応関係の確立,を目標とした研究を行う。 前者については,含ハロゲン化合物がタンパク質分子への薬剤活性を発揮するケースにおいて鍵となるハロゲン結合について,電子分布の異方性・分極の効果・置換基効果を分離した精緻なポテンシャル関数系を整備する。後者については,系内の静電環境のプローブとなる分光シグナルの特性や,双極子微分量が大きい官能基どうしの集合による中距離的構造形成とスペクトル形状の相関を解析する。両者において,電子密度解析等の理論解析手法を,総合的に利用する。
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研究成果の概要 |
ハロゲン結合系を対象に電子密度解析を行うことにより,分子周囲の静電環境を的確に表現できる分子間相互作用ポテンシャル関数系を,電子分布異方性の効果と分極効果を分離した形で導出した。この手法を用いて,水素結合との協同効果によるハロゲン結合強度増大メカニズムを解明したほか,ハロゲン結合を供与しないフッ化水素に見られる電子分布異方性が特徴的な水素結合配置を生ずることを示した。さらに,ハロゲン結合形成に伴う赤外強度の変化がハロゲン結合の部分的共有結合性などと相関することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハロゲン結合は,含ハロゲン化合物がタンパク質分子への薬剤活性を発揮するケースにおいて鍵となる分子間相互作用である。これを的確に表現できる分子間相互作用ポテンシャル関数系を,典型的なモデル化合物系を対象に導出したことにより,分子間相互作用による分子配置の様相を,理論化学・計算化学的手法によって的確かつ高速に評価することができる道筋が得られたと言える。このことは,ハロゲン結合を利用した分子設計において重要な役割を果たすと考えられる。
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