研究課題/領域番号 |
19K05393
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
遠藤 太佳嗣 同志社大学, 理工学部, 准教授 (50743837)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | イオン液体 / 融点 / 融解エントロピー / 配座 / エントロピー / 分子動力学計算 / 量子化学計算 / NMR / コンフォメーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、様々なイオン液体群に対してΔSconfを決定する。しかしながら、イオン液体のΔSconfを精度良く求めるのは容易ではなく、これまで例がない。実験的手法としてRaman分光やNMR分光が使われているが、あまりに多い配座数では解析が極めて難しくなる。一方で、計算機的手法である分子動力学・量子化学計算は、多くの配座数をもつ分子のΔSconfでも決定は可能だが、現実のΔSconfを反映している保証はない。そこで本研究では、これら相補的な特徴を持つ分光法と計算機的手法に、熱測定を加えた複合的アプローチによって、見積もりの難しいΔSconfを決定する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、「イオン液体はなぜ融点が異常に低いか」を、特に配座エントロピーの寄与の観点から明らかにすることを目的として、①これまで考えられていた相互作用的(エンタルピー的)寄与よりも、エントロピー的な寄与の方が、イオン液体の低融点に重要な役割を果たしていることを明らかにした。②分子動力学法を用いた融解エントロピーの分割方法を開発し、中でも配置エントロピーが最重要で、次いで配座エントロピーが重要であることを見出した。③計算及び実験の両手法により、配座エントロピーの見積もりを行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオン液体は、塩でありながら、室温付近で液体になる物質のことである。そのユニークな性質から、極めて広範囲の応用展開がなされている次世代の液体である。イオン液体の定義から考えて、「イオン液体はなぜ異常に融点が低いか」を明らかにしたことは、イオン液体の本質に迫る重要な成果と言える。更に、本研究で得られた成果は、新しいイオン液体を創出するための分子設計に大いに役立つと期待できる。
|