研究課題/領域番号 |
19K05397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上田 顕 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (20589585)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 有機伝導体 / π電子-水素連動 / バンドフィリング / 脱プロトン化 / 電荷移動錯体 / 水素結合 / 結晶構造 / テトラチアフルバレン / カルボン酸 / 脱プロトン / Mott絶縁体 / 化学修飾 / 構造多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者が最近開発に成功した新しいタイプの有機伝導体である「π電子-水素連動型の有機伝導体」の構造多様性を探索する。構成分子の化学修飾や構成アニオンの置換、水素結合部の水素・重水素置換を駆使し種々の新規類縁体結晶を開発し、それらの構造や物性、相転移挙動を詳細に明らかにする。これらの結果を基にπ電子と水素の連動に基づく新しい概念・現象、機能の創出を図る。
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研究成果の概要 |
本研究では、有機分子の構造多様性・自由度を活用することで、様々なπ電子-水素連動型の有機伝導体を開発し、π電子と水素の共存・連動に基づく特異な分子配列、電子状態の創出ならびにそれらの多様性の開拓に成功した。特に興味深いことに、カルボキシ基を有する系は、カルボキシ基プロトンの部分的な脱離により、従来にないπ電子状態・バンドフィリングを形成可能であることを発見した。プロトンによる新たなバンドフィリング制御法の開拓につながる可能性があり大変意義深い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究者らが世界に先駆けて開発に成功したπ電子-水素連動型有機伝導体は、従来のπ電子自由度・相互作用に加え、水素結合に由来する動的自由度・ダイナミクスを有しており、それらが連動することで従来にない物理現象・機能を示すことが期待されている。本研究では、この新しいタイプの有機伝導体を新たに数種類合成することに成功し、その設計指針ならびに構造的・電子的特性について多くの重要な知見を得ることができた。今後のさらなる発展・展開が大いに期待できる。
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