研究課題/領域番号 |
19K05400
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東口 顕士 京都大学, 工学研究科, 講師 (90376583)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 超分子構造体 / 光反応 / ジアリールエテン / 枯渇力 / 両親媒性 |
研究開始時の研究の概要 |
両親媒性化合物が水中で形成する超分子構造体は、多くの場合光学顕微鏡サイズ(数マイクロメートル)でしか得られないが、枯渇力を作用させると棒状ミセルは束状に、二分子膜は積層凝集してサイズが大きくなる。我々は光応答性超分子構造体においても、枯渇力での凝集の際に分子間のパッキングが変化しないこと、すなわち光応答性を変性させないことを確認した。本研究ではmmサイズの超分子構造体を光発生・消失・変形させるシステムを構築する。光反応は位置選択性や物体透過性の点で優れており、例えばマイクロカプセルの内部ひいては細胞のような閉じた空間でも光操作可能な超分子構造体を構築できる。
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研究成果の概要 |
ジアリールエテン超分子構造体は光に応答して変形を示すが、通常数マイクロメートルサイズで水中に分散しており、アクチュエーターとして機能させるのは難しい。枯渇力はこのようなコロイドサイズの物体を凝集させることが可能であることが知られている。本研究ではジアリールエテン超分子構造体の変形性と異方性を保ったまま、枯渇力でサブミリメートルサイズにまで相似拡大させることに成功した。通常はナノ構造が異方的であっても表面張力によって丸まりるが、枯渇力による異方的凝集を利用することでこの問題を解決できた。このとき変形性を保っていたことから、枯渇剤である水溶性高分子の添加は会合には影響を与えないことも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶も会合体も、物体を動かせるほどのサイズに成長させるには一般に時間が掛かる。枯渇力による異方的凝集は、ピペット先端による撹拌により10秒掛からずに達成され、それでいて元の刺激応答変形性は残している。刺激応答性会合体の大きさを成長させることは、応用を考えた場合、変形量や力の最大値、繰り返し耐久性のいずれにおいても有利であると考えられる。枯渇力による表週は本系に限らず普遍的に適用可能であることから、応用の観点から特に優れていると考えられる。学術的にも、枯渇力によるコロイドの凝集が両親媒性化合物のパッキングに影響を与えないことを、外形からだけでなくスペクトルの不変性から確認した点で意義がある。
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