研究課題/領域番号 |
19K05401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北河 康隆 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60362612)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 1分子トランジスタ / 理論設計 / 量子化学 / 分子エレクトロニクス / 単分子電気伝導 / 分子回路 / 単分子トランジスタ / 開殻電子状態 / 金属錯体 / 理論計算 / 分子設計 / 単分子磁石 / EMACs |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では『開殻電子状態を有する錯体に着目し、スピン状態などにより電気伝導度が大きく異なるような分子を理論設計する』ことを目的とする。その達成のために、実在する錯体のスピン多重度などを変えた時の伝導性の変化を、量子化学計算により分子軌道レベルで解明することにより、1分子トランジスタとして機能する錯体の設計指針を構築する。そして用いるべき配位子や置換基、金属イオン種を精査し、1分子トランジスタを理論設計する。対象系としては拡張金属原子鎖(EMACs)、ならびにダブルデッカー型フタロシアニン-ランタノイド(III)錯体とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、開殻電子状態を有する金属錯体を用いた1分子トランジスタの理論設計を目的とした。そのために、分子構造・スピン状態(電子状態)と電気伝導性の関係性を分子軌道レベルで解明することにより、1分子トランジスタとして機能する錯体の設計指針を構築することを目指した。研究期間で、1次元ニッケル(II)5核錯体において2つの異なるスピン状態で電気伝導度が異なることを示し、外場による電気伝導性の制御の可能性を示唆することができた。加えて、2核錯体において、磁気的相互作用を設計する指針も得た。さらに、磁性とスピンの非局在性との関係や、化学刺激による機能制御の可能性を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究分野は、現在欧米を中心に急速に進みつつあり、日本においてもその遂行が急務の課題となっている。本研究では研究期間を通じ、(i)理論的視点から種々の実在化合物の機能発現メカニズムを解明した、(ii) 得られた知見から具体的な分子設計指針や機能制御方法を提案した、(iii)実験研究者との共同研究を通じ、得られた結果を実際の合成へとフィードバックすることにより、機能性分子の実現へと貢献した、という3点において学術的な意義があったと考える。また分子デバイス分野への新たな提案を通じ波及効果を与えただろうという点で、社会的意義があったと考えられる。
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