研究課題/領域番号 |
19K05404
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松木 均 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (40229448)
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研究分担者 |
玉井 伸岳 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (00363135)
後藤 優樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (30507455)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | モジュール変更アナログ脂質 / グリセロリン脂質 / スフィンゴリン脂質 / ホスファチジルコリン / 脂質二重膜 / 相転移 / 高圧力 / 熱測定 / モジュール構造変更アナログ脂質 / 非天然脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
生体膜を構成する主要脂質は、グリセロール骨格に2つの脂肪酸とリン酸を介した極性基が連結したグリセロリン脂質である。このモジュール構造は大半の生物種に亘り普遍的に存在し、脂質分子の多様性を生み出す根源となっている。本研究においては、脂質多様性の原因である疎水基と親水基のユニット部分では無く、脂質分子骨格中の共通モジュール構造自体を変化させ、天然脂質と構造が類似した非天然のモジュール構造変更アナログ脂質を有機合成する。これら非天然脂質が形成する二重膜を常圧下および高圧下における物性測定により調査し、非天然脂質二重膜の膜状態をキャラクタリゼーションする。
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研究成果の概要 |
非天然のモジュール構造変更アナログ脂質として、脂質分子骨格に2つの疎水鎖がアミド結合により対称的に連結したアミド結合型リン脂質、ジアシルアミドデオキシホスファチジルコリンを有機合成により作製した。これら非天然脂質の形成する二重膜の特性を示差走査熱量測定、高圧光透過率測定および核磁気共鳴測定から調査し、骨格への鎖結合様式および疎水鎖長が二重膜へおよぼす影響について検討した。分子骨格へのアミド結合の導入は、二重膜中で隣り合う分子間でアミド結合同士が分子間水素結合を形成するといった強い骨格間相互作用に起因して、ゲル相や水和結晶相のような凝縮相の充填状態を顕著に強めることを結論づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はこれまで、天然に存在するリン脂質が形成する二重膜の膜状態を脂質分子構造と相関させながら系統的に明らかにしてきた。本研究では、これまでの研究を脂質分子骨格中の共通のモジュール構造自体の配列順序や鎖結合様式を変化させた非天然のモジュール構造変更アナログ脂質へと拡張した。アミド結合型リン脂質を有機合成で作製し、その膜状態をキャラクタリゼーションすることで、グリセロリン脂質とスフィンゴリン脂質の差異に関する有用な情報を得ることができた。今後、さらなるモジュール構造変更アナログ脂質を用いることで、生体膜脂質の存在意義や使命に関する根源的な情報が得られるのではないかと考えている。
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