研究課題/領域番号 |
19K05407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鎌田 海 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (90315284)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 酵素 / ナノシート / 光触媒 / 蛍光 / バイオイメージング / 生体分子 / 半導体 / 発光酵素 / 発光タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
発光性生体分子と無機半導体ナノシートを結合し、生体分子から半導体への光エネルギー移動を利用した半導体光機能の発現に取り組む。具体的には無機層状半導体の層間に発光生体分子を挿入することで、両者が交互積層した無機―バイオ複合体を合成する。この複合体内の生体分子が発する微弱な光(バイオルミネセンス)により半導体層を励起し、その光機能(光触媒能、蛍光能)を引き出す。すなわち、従来、半導体の光機能を引き出すために用いられてきた外部光源を発光生体分子で置き換えるという新しい概念を提案する。
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研究成果の概要 |
微弱な生物発光を吸収した半導体ナノシートによる新規物質変換プロセス(光触媒反応系)の可能性を検討した。ナノシートとしては紫外から可視光線を含む生物発光を吸収可能な硫化物あるいは酸化物の薄片状物質を触媒として用いた。酸化還元酵素が引き起こす生物発光のエネルギーはナノシートに伝達し、共存する貴金属イオンを還元できることがわかった。つまり、ナノシートを介して生物発光のエネルギーを物質変換に利用できることを明らかにした。 一方、蛍光性半導体ナノシートを用いたバイオイメージングについては、蛍光性ナノシートの合成には成功したが、特定の生体組織を画像化できる程度の強い蛍光強度を得ることができなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの光触媒では光源として強い光を放つ外部光源や太陽光の利用を想定していた。本研究ではこれらと比較して極めて低い強度の光源である生物発光を効率的に利用して物質変換につなげる技術を生み出した。とりわけ、この光触媒反応では、主にタンパク質や酵素が引き起こす化学反応に伴って放出する光を利用するため、これらの生体分子1つ1つを微小な光源と考えれば、反応溶液全体に光エネルギーが均等に行き渡ることで、反応効率の向上が見込まれる。また、外部からの光照射を要しないため、夜間や光の届かない空間など、時空間の制限にとらわれることなく光触媒反応を起こせるという特長を見出すことができる。
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