研究課題/領域番号 |
19K05417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中薗 和子 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (30467021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マクロサイクル / サイズ可変 / ロタキサン / 多環状高分子 / トポロジー変換 / 超分子 / トポロジー / カテナン |
研究開始時の研究の概要 |
マクロサイクルは、末端を持たない閉じた構造により同一の化学組成・分子量の鎖状分子とは異なる物性・化学特性を示すことから広い分野で研究対象であるが、合成には多くの課題があり、望みの構造とサイズのマクロサイクルの自在合成は用意ではない。本研究では機械的結合を持つ分子であるロタキサンの動的構造特性を利用した新しい環化方法を提案し、多様な多環構造やカテナンなどのインターロック分子への構造変換が可能なトランスフォーマブルマクロサイクル群を創製する。さらに分子の形状変換系を駆動力とするマクロな刺激応答システムへの展開を目指す。
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研究成果の概要 |
マクロサイクルは、末端を持たない閉じた構造により同一の化学組成・分子量の鎖状分子とは異なる物性・化学特性を示すことから様々な応用が期待されている。しかし、マクロサイクルの合成には多くの課題があり、望みの構造とサイズを有するマクロサイクルを自在に合成することは容易ではない。本研究では機械的結合を持つ分子であるロタキサンの動的構造特性を利用した新しい環化方法を提案し、ビニルポリマーの環化および、マクロサイクル構造を有するモノマーの重合では合成が難しい、多環構造を有する高分子の合成を達成した。刺激に応答して環状構造を変換させる刺激応答性官能基の導入とマクロサイクル中での駆動についても明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マクロサイクル骨格は医薬品や分子認識材料の多くに見られる骨格であり、最近では環状高分子の物性にも注目が集まっているが、マクロサイクルの研究において環化はボトルネックであり、自在な構造・サイズのマクロサイクルを高純度かつ大量に合成することは難しい。本研究を通して、ロタキサンの動的構造特性を利用したマクロサイクル合成は、従来からある鎖状分子を環化する方法や、小さな環状分子への挿入反応によって環拡大してマクロサイクルを得る方法とは本質的に異なる新しい合成概念であり、可逆的トポロジー変換という機能化も可能にすることを明らかにした。本成果をもとに多様な機能性マクロサイクルの研究の促進が期待される。
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