研究課題/領域番号 |
19K05426
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
岩澤 哲郎 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (80452655)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | Inherent キラルキャビタンド / キャビタンド触媒 / 人工酵素 / Inherentキラリティー / ホスホン酸 / キラル化学 / 不斉ケイ素キャビタンド / 複キノキサリン結合型レゾルシンアレン / 不斉反応場 |
研究開始時の研究の概要 |
不斉触媒は過去数十年間に多くの研究が行われ、現代の医薬品合成等において不可欠なツールとなった。しかしグリーンケミストリーの観点からは未だ達成されていない課題が多いため、単に高いエナンチオ選択性を達成するだけでなく、革新的な解決を可能にする新しい不斉制御機構を見出すことが求められる。化学者はこれまでに、点・軸・面・らせんといった各不斉源を打ち立ててきたが、今後は別の不斉源に基づいた反応場の構築が望まれる。これに対して本研究では、過去のこれら4大不斉源とは異なる「Inherentキラリティー」を用いた不斉反応場を開発する。
|
研究成果の概要 |
インハラントキラルキャビタンドの人工酵素としての活用を目指し、反応性キャビタンドの新規合成法の開発とそれをベースにした選択的化学変換の達成に取り組んだ。その結果、レゾルシンアレンーキノキサリン型化合物を起点にした幅広い新規キャビタンド合成法を見出し、従来にはない不斉分子の創出に成功した。また、アリル基やホスホン酸を化学空隙に持つ反応性キャビタンドの創製に成功し、化学空隙がアリル基の面識別能を持つこと、および、ある種の共役付加反応における求核剤の識別能を持つこと、をそれぞれ新たに見出した。これら知見は、触媒化学との関連において、化学空隙が選択的反応の制御原理になる価値を示すものである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不斉触媒の研究は過去数十年に渡り行われてきたが、グリーンケミストリーの観点からは未だ成熟していない。そのため、革新的な解決を可能にする新しい概念に依拠した触媒開発が求められてきた。本研究では、アキラルな置換基を時計回りと反時計回りに配置することによって生じるキラリティーのみを不斉源としたキャビタンド触媒の創出に成功し、従来にはない触媒反応場の構築を達成した。この成果の社会性との関わりにおける意義は、環境にやさしい物質合成との関連において、新しい製法・製造原理を生み出す価値を持つ。また、学術との関連において、新しい不斉反応場の概念をベースにしたキラル化学の進展を促す価値を持つ。
|