研究課題/領域番号 |
19K05448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
林田 修 福岡大学, 理学部, 教授 (20231532)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ホストゲスト化学 / 分子認識 / ゲスト放出 / 薬物送達 / ジスルフィド / シクロファン / 刺激応答 / ホストゲスト / 薬剤放出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複数の外部刺激(還元剤と pH 低下など)に応答して分解することで“薬剤を放出する”と同時に自ら“光り出す”薬剤運搬体を開発する。そのため、複数個の環状ホストを連結した多環状ホストを合成し、薬剤を捕捉させる。還元剤のみならず pH 低下にも応答して分解する部位を多環状ホストに組み込むことで、がん細胞に対して高選択的な薬剤の放出を行う。さらに、薬剤を放出すると同時に自ら光り出す“仕組み”を構築し、薬剤の放出挙動を蛍光で可視化する。
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研究成果の概要 |
本研究では、還元剤や pH 変化などの複数の外部刺激に応答して分解することで、がん細胞に対してより正確にゲスト(薬剤)を放出できるホストの開発を行った。pH 応答性の官能基を側鎖に、還元応答性のジスルフィドを分子骨格にもつ分解型ホスト1を合成した。1はpH変化に応じてゲスト捕捉能が変わり、pH変化と還元剤の添加という二つの刺激により、より効果的にゲストを放出することができた。さらに、還元剤としてグルタチオン(GSH)の添加に伴って蛍光を発する分解型ホスト2も合成した。GSHの添加により、2のジスルフィド結合が開裂し、放出したピレンチオラート体が自己会合してエキシマー蛍光を発することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、還元剤や pH 変化などの複数の外部刺激に応答して分解し、捕捉したゲストを放出できる分解型ホスト分子を開発した。さらに、還元剤としてグルタチオンの添加に伴って、ジスルフィド結合が開裂し、放出したピレンのチオラート体が自己会合してエキシマー蛍光を発する分解型ホスト分子も合成した。これら分解型ホスト分子の分子設計と合成は、ホストゲスト化学や超分子化学の学術分野の発展に貢献するものであり、がん細胞を標的とした薬物送達システムの開発への基礎的知見を与えるものと期待される。
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