研究課題/領域番号 |
19K05450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
柳澤 章 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (60183117)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有機化学 / 触媒・化学プロセス / 不斉反応 / アルコキシド / キラル触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はアルキル銀(I)化合物と同じく生成の難しいとされる銀(I)アルコキシドを、銀(I)塩、アルコールおよび三級アミンから効率的に発生させ、その触媒活性を様々な分子変換反応において調査し、他の金属アルコキシドと比較することによって、どの程度のルイス塩基性があるのかを明らかにする。さらに光学活性配位子と銀(I)アルコキシドとの錯体を不斉触媒に用いて、エノールエステルあるいは直接的にケトンからキラル銀(I)エノラートを調製し、不斉ニトロソアルドール反応や不斉α―アミノ化反応などの不斉反応に適用することにより、不斉触媒としての性能が他のキラル金属触媒と比べてどの程度高いのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
効率的かつ高純度なキラル銀(I)メトキシドの発生法と、それを用いたキラル銀(I)エノラート化合物の調製法について検討した結果、ジイソプロピルエチルアミンを第三級アミンに用いると純度の高いキラル銀(I)メトキシドとキラル銀(I)エノラートが調製できる事を見出した。そこで本手法を用いて、キラル銀(I)エノラートを経由するイサチン誘導体の不斉アルドール反応を行ったところ、その生成物に高い不斉誘導が生じた。このキラル銀(I)エノラートの触媒的発生法を様々な求電子剤に応用する事によって、不斉N-ニトロソアルドール反応、不斉マンニッヒ型反応及びアルケニルエステル類の不斉α-アジド化反応等を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題はこれまで殆ど知見の無かったキラル銀(I)アルコキシドを効率的に発生させ、様々な有機合成反応への応用をねらったものである。本研究によってキラル銀(I)アルコキシドが純度良く調製でき、その性質が明らかにされた事、さらにはキラル銀(I)アルコキシドによって発生させたキラル銀エノラートの反応が、他のキラル金属エノラートと異なる反応性、選択性を示せた事は学術的観点から意義のある成果であると考えられる。さらに研究期間内に開発した位置・立体選択的反応が、従来法では合成困難な有用化合物、中でも生理活性化合物の効率的合成手法として応用されれば、医農薬の分野にも貢献できる社会的意義のある成果となる。
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