研究課題/領域番号 |
19K05452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安藤 吉勇 東京工業大学, 理学院, 助教 (40532742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 天然物合成 / キノン類 / 光化学 / 不斉合成 / 立体選択的合成 / ナフトキノン / 光化学反応 / 酸化還元 / プレウソメリン / キノン / スピロ環 / C–H結合官能基化 / CH官能基化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者が独自に見出したキノン類の可視光照射下における酸化還元反応を活用し、C-H結合の新たな官能基化法を開発する。また、開発した手法を実際に活用して高次構造天然物を全合成し、その合成化学的有用性を示す。本研究を通じて、光酸化還元反応を官能基許容性が高く一般性のある反応として発展させ、有機合成化学の進歩に寄与することを目指す。
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研究成果の概要 |
独自に開発したキノン類の立体特異的な光酸化還元反応を基盤として、これまで不斉合成が困難であった天然物の全合成研究に取り組んだ。 抗腫瘍性抗生物質スピロキシンAについては、合成の途上で光反応に競合する暗反応の存在をつきとめ、それが光反応の時とは逆のエナンチオマーを与えることを見出した。結果、スピロキシンAのエナンチオ分岐型全合成を達成した。また、抗生物質プレウソメリンEG類については、その合成に向けて、1,6-水素移動を経由する光酸化還元反応を開発し、それが立体特異的に進行することを見出した。結果、最大の難関であるスピロアセタールの立体制御を解決し、初の不斉全合成を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機合成化学の手法や戦略が発展した現代においても、構造様式や立体化学などの制約により合成困難な化学構造は依然として存在する。そのため、新たな合成手法の開発は常に求められており、今回独自に開発したナフトキノンの光酸化還元反応により未踏の天然物の不斉全合成を実現できたことは、学術的に意義深い。さらに、30年来不明であった天然物の絶対構造を確定することもできた。 また、化学構造が複雑な分子は、合成自体が困難なために薬や材料開発などの候補から敬遠されやすいが、天然物合成の実現は、将来的な合成化学による複雑精緻な分子の供給の可能性を提示するものである。
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