研究課題/領域番号 |
19K05462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
南雲 紳史 工学院大学, 先進工学部, 教授 (40246765)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Arenicolide A / 全合成 / エポキシ不飽和エステル / アルコキシ置換反応 / 椎名エステル化 / アレニコライドA / オレフィンメタセシス / アプリロニン / 4連続不斉中心構築反応 / アプリロニンA / 炭酸エステル / 閉環メタセシス / アレニコライド / メタセシス / PMB基の脱保護 / クロスメタセシス / アレニコライドA / 鎖状立体制御法 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋放線菌が産生するアレニコライドAは中程度の抗腫瘍活性を有するマクロライドである。その構造はエポキシドを含む特異な側鎖構造と多くの二重結合を含む26員環ラクトンからなる。一方、アメフラシ由来のアプリロニンAは強力な抗腫瘍活性を有する24員環マクロライドである。その活性には、7位酸素に結合するトリメチルセリンが必須である。本研究課題は、独自の鎖状立体制御法および閉環メタセシスの戦略的利用法を基盤として、アレニコライドAの世界初の全合成とアプリロニンAの新規合成経路の確立を目指す。また、アレニコライドAの構造修飾による生物活性増強、さらには両天然物のハイブリッド分子の創製を検討する。
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研究成果の概要 |
特異な化学構造と抗腫瘍活性を有する二種の海産天然物Arenicolide AとAplyronine Aの合成研究を行った。そのうちArenicolide Aに関しては、エポキシ不飽和エステルの立体特異的アルコキシ置換反応と閉環メタセシスを繰り返し用いることで、26員環ラクトンを含む全炭素骨格の構築に成功した。Aplyronine Aに関しては、独自に開発したエポキシ不飽和エステルを基質とする4連続不斉中心構築反応を鍵工程としてC5-C20セグメントの合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
arenicolide Aの合成の中で、閉環メタセシスを繰り返し用いる新しい戦略を提示することができた。本研究は全合成には至っていないが、完全炭素骨格を構築できていることから、本合成経路が抗腫瘍活性増強に向けたarenicolide誘導体の構造活性相関研究に貢献するものと考える。 また、独自に開発したエポキシ不飽和エステルからの4連続不斉中心構築反応が、Aplyronine Aの合成に応用されたことで、複雑な化合物の構築にも応用できることを示した。多連続不斉中心を有するマクライド天然物などの合成において、今後大いに利用される可能性があると考えている。
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