研究課題/領域番号 |
19K05470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
山崎 孝 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40191267)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | C2対称 / チオウレア / フッ素化合物 / 有機触媒 / 不斉合成 / C2対称性 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、有機触媒として汎用されているチオウレア類は、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基を持つ左右非対称型が主流であり、不斉合成で一定の成果を得てはいるが、原理的にはあまり効率的ではない。今回我々は、C=S基上にC2対称軸を有するチオウレア触媒なら、中間体のコンホメーションをうまく制限できることに着目した。Ar-CH(NH2)-CF3型の光学活性二級アミンを使用すれば、アミノ基上水素の酸性度を十分に向上できることが計算科学的に示されたことから、このアミンをC=S基の両側に持つC2対称性チオウレア触媒を設計・合成し、高光学純度を達成できる高効率な有機触媒の構築を目指すこととした。
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研究成果の概要 |
研究当初の時点では、文献上知られていなかったトリフルオロメチル基を含み、しかも炭素硫黄二重結合上にC2対称軸を有するチオウレアを合成し、その有機触媒としての能力を明らかにするためにいくつかの反応を試みたところ、いずれの場合にも望む反応は進行し、β-ニトロスチレンとアセチルアセトンとのニトロマイケル付加では、最大34% eeの立体選択性の発現を観測した。また、β-ニトロスチレンに対してインドールを作用させると20% eeの生成物が単離されるのみであったが、N-Bocイミンとニトロメタンの反応では、69%の収率で72% eeの生成物を得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の身の回りでは、特異な物性を示す光学活性化合物が様々な領域で使用されている。こうした化合物は、遷移金属触媒を用いる変換経路を介して合成されることが多かったが、埋蔵量が些少で取り扱いが難しいことが多い遷移金属の使用には問題があり、その適切な解決策が求められていた。そこで今回我々は、容易に合成できるチオウレア触媒に注目し、トリフルオロメチル基と炭素硫黄二重結合上にC2対称軸を組み込んだ新規触媒を開発することで、こうした特色が触媒の活性化ならびに立体選択性の向上に効果的に寄与することを、様々な反応に利用することで証明することができた。
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