研究課題/領域番号 |
19K05471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 (2022) 東京工業大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
重田 雅之 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (70607514)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アルキン / 反応開発 / 潜在的反応性 / アルキリデンカルベノイド / ハロニウム触媒 / 触媒的異性化反応 / 脱石油化学 / 石炭化学の再構築 / カルベノイド / 連鎖反応 / 幾何異性化反応 / C-H挿入反応 / 典型金属 / 求電子置換反応 / ワンポット変換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,医薬分子合成の前段階と位置付ける基礎研究であり,既存の医薬分子調達の簡便化する手法,もしくは独自の類比思考から臨床での利用展開を期待する分子を構築する際に有用な手法を開発する。具体的には,マイケル付加反応の深化によるアプローチにて現状の制約に捉われないアルキリデンカルベノイドを発生させ,さらにその利用法を探索することで,既存法では調達困難な分子も短工程にて合成可能とする。本研究により医薬分子合成の観点からアルキンの利用法を拡張することで,持続可能な社会の実現するためのアプローチのひとつとして廃材から木炭とカーバイドを経て医薬品へと変換する技術を目指し,その技術創出のための知見を得る。
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研究成果の概要 |
1894年から合成利用が検討されてきたアルキリデンカルベノイドについて,マイケル付加反応による新たな発生法を開発した。ハロゲン化したアルキンに各種求核剤を作用させるとアルキリデンカルベノイドが生じる。もしくは一旦プロトン化した後に改めて塩基を作用させるとアルキリデンカルベノイドが再生する。これら方法にて発生させて,その反応性に迫った。分子内に求電子剤を備えた場合には,カルベノイドによる求核置換が進行した。適切な金属塩を添加した場合には金属カルベノイドとなり,その利用例として二量化にてクムレンを得た。触媒量のハロニウムを添加した場合には,アルキリデンカルベノイドの幾何配置が反転した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脱石油化学の基軸の一つとしてアルキンを鍵とする化学工業の再構築が今後起こるものと推測しており,それに備えてアルキンの新たな利用法を探した。ハロゲン化したアルキンは求電子性を備えるものの,そのマイケル付加反応においては,付加にて生じるカルボアニオンを安定化する効果がなく,むしろハロゲンの脱離によりアルキリデンカルベンを生じて分解する原因となっていたが,発想を転換してこうした不安定化学種を積極的に利用するアプローチにて研究を実施した。医薬分子・機能性材料の主骨格である多置換オレフィンの中でもビニル位にヘテロ置換基を持つ分子を,本研究によって入手容易なアルキンから短工程にて調製できるようになった。
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