研究課題/領域番号 |
19K05476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
山崎 祥子 奈良教育大学, 理科教育講座, 教授 (50182481)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 分子内Diels-Alder反応 / 分子内環化反応 / ナフタレン / ピロリジン / アルキン / 水付加 / 分子内[4+2]付加環化 / ブロモスチレン誘導体 / 脱水素反応 / Knoevenagel 縮合 / 連続的環化反応 / インデン / ベンゾ[f]イソインドール / 分子内[4+2]環化付加 / 分子内[2+2]環化付加 / 電子欠乏性アルケン / スチレン / 分子間[2+2]環化付加 |
研究開始時の研究の概要 |
環境負荷軽減を指向した高選択的、効率的な有機合成法の開発は、医薬品や有機材料の合成において重要である。特に、ヘテロ環や炭素環、多環性化合物は有用な物質に多く存在し、その高効率的合成開発が期待される。本研究では、基質の高い反応性を利用し、低エネルギー型、無触媒または少ない触媒、短工程での環化合物骨格の選択的な新合成反応開発を行う。電子欠乏性アルケニルカルボン酸とアリールアルケニル、ハロゲン化アルケニル基を含むアミン誘導体との、アミド誘導体を経る分子内反応で、選択的環化反応を検討する。また分子間での効率的、選択的環化付加反応も検討する。
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研究実績の概要 |
ヘテロ環や炭素環化合物は医薬品や有機材料などの有用な物質に多く存在し、その高効率的合成開発が期待される。基質の高い反応性を利用し、低エネルギー型、メタルフリー、短工程での選択的な新合成反応開発を行い、反応機構をDFT計算を用いて考察した。 分子内Diels-Alder反応は1工程で多環性化合物を与える有用な反応である。アリールアルキンをジエン成分、求電子性アルケンをジエノフィルとして利用した分子内Diels-Alder反応を試みた。 アリールプロパルギルフマル酸アミドをキシレン中塩基存在下140 ℃で加熱すると、分子内Diels-Alder反応を経て、ベンズ[f]イソインドリン骨格をもつ三環性化合物が主生成物として得られた。一方、アリールプロパルギルフマル酸アミドをDMSO中で160 ℃で加熱するとアロイル基trans置換ピロリジン誘導体が主生成物として得られた。系内の水が関与した環化反応が起こったと考えられる。アリールプロパルギルエテントリカルボン酸アミド誘導体の反応ではDMSO中で80 ℃でアロイル基cis置換ピロリジン誘導体が得られた。さらにHおよびMe置換プロパルギルアミドのDMSO中の反応を検討したところ、同様の環化-水付加アルデヒドまたはエン反応環化体などが選択的に得られた。 環化体生成の反応機構をDFT計算を用いて考察した。ニトロ基置換ベンズ[f]イソインドリンを蛍光性を示すジメチルアミノ基置換誘導体に変換した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不飽和カルボン酸とα-ブロモスチレン誘導体アミンとの分子内Diels-Alder反応で、ヘテロ環縮環ナフタレン骨格を合成した結果について論文発表を行った。さらに電子欠乏性α,β-アルケニルカルボン酸アリールプロパルギルアミドの分子内環化反応で、反応条件によってベンズ[f]イソインドリン、またはアロイル基置換ピロリジン誘導体を選択的に得た結果について、論文発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
さらに研究を発展させるため、ブロモスチレンやアリールアルキンの分子内環化付加反応を利用したヘテロ環縮環ナフタレンの合成では、蛍光性を持つ種々のアミノ基置換ナフタレンを合成し、構造と蛍光性の関係を明らかにする。 電子欠乏性α,β-アルケニルカルボン酸アリールプロパルギルアミドの分子内環化反応で、DMSO中加熱によりアロイル基置換ピロリジン誘導体を選択的に得た予想外の結果を発展させる。含酸素類似体や6員環形成にも発展させる。反応機構の詳細について明らかにする。 得られた成果を学術論文誌等において発表する。
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