研究課題/領域番号 |
19K05478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
菅 誠治 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (50291430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カチオンプール法 / イミニウムイオン / 立体化学 / 求核剤 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘテロ原子を有する環状化合物の立体選択的な合成法の進化と発展は生命科学や医薬品開発において非常に重要である。なかでも、ヘテロ原子のα位炭素カチオンを鍵中間体とする反応は最も汎用される分子変換法である。申請者らは自らが開発した「インダイレクトカチオンプール法」を用いて、ピペリジン由来のN-アシルイミニウムイオンの立体配座をNMRではじめて直接観測することに成功するとともに、求核剤の違いにより真逆な立体化学をもつ化合物が高選択的に生成する非常に不思議な現象を見出した。本研究では、①この現象のメカニズム解明と一般性の探索、②これを利用した多置換環状アルカロイドの簡便不斉合成を主眼に研究を行う。
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研究成果の概要 |
ピペジン由来(6員環)およびピロリジン由来(5員環)の置換基をもつ各種環状N-アシルイミニウムイオンをインダイレクトカチオンプール法で発生させ、各種求核剤との反応における立体選択性について精査した。その結果、求核剤の違いにより立体選択性が逆転する現象を見出し、その発現機構に求核剤の構造と有機カチオンの対イオンが深く関与していることを明らかにした。また、この現象を利用した多置換環状アルカロイドの不斉合成に取り組み、1種類のカチオン前駆体から4つの立体異性体をほぼ100%のエナンチオマー過剰率で得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘテロ原子を有する環状化合物は、生物活性を有するものが多く、その立体選択的な合成法の開発は、最も重要な課題の一つである。中でも、ヘテロ原子のα位に炭素カチオンを生成させ、これに求核剤を作用させることにより、この炭素上で結合形成を行う反応は、汎用される分子変換手法の一つであるが、立体選択性に関する議論は経験則に基づくものが主であった。本研究は独自に見出した有機カチオンの発生法を使って、分光学的な手法を含めた実験科学と計算科学を組み合わせることで、これらの立体選択性を理解することができることを示した点が最も重要な点である。
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