研究課題/領域番号 |
19K05483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
今堀 龍志 東京理科大学, 工学部工業化学科, 准教授 (90433515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 適応型化学反応制御 / 集積型触媒 / 集積性触媒 / 不斉触媒反応 / 超分子触媒 / 不斉触媒 / 自己集積 / 異種集積 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、酵素の誘導適合を参考に、弱い分子間相互作用であるπ相互作用で集積した柔軟な超分子空間を触媒の反応空間に用いることで、反応基質・反応剤に合わせて適切な反応空間を構築し、円滑に効果的な遷移状態を形成させる、適応型の化学反応制御を実現する分子触媒を開発する。触媒活性中心には、集積による協同機能によって効果的な触媒機能の発現が期待できるsalen錯体を用いる。本触媒は、反応空間の精密構築によって化学反応を制御する一般的な分子触媒とは異なる触媒設計となっており、反応空間を反応基質・反応剤に合わせて構築することで、広い適用性と高い効率性・選択性を兼ね備えた分子触媒として機能することを期待する。
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研究成果の概要 |
本研究は、弱いπ相互作用で集積した柔軟な超分子空間を触媒の反応空間に用いることで、反応基質・反応剤に合わせて適切な反応空間を構築し、円滑に効果的な遷移状態を形成させる、適応型の化学反応制御を実現する分子触媒の開発を行なった。自己集積型Co(III)-salen錯体を触媒とする水による環状メソエポキシドの開環反応と自己集積型Al(III)-salen錯体によるα,β-不飽和イミドの共役シアノ化反応において、種々の反応基質の反応が良好な立体選択性で進行することを見出した。 また、πドナー・アクセプター相互作用を用いた異種集積触媒による新規反応を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の触媒は、高度に設計された反応空間が共有結合と配位結合や水素結合等の比較的強い非共有結合性相互作用によって強固に組み上げられており、触媒反応空間に入り込めない反応基質・反応剤は効率的に触媒反応が進行しない。つまり、高効率高選択的な化学反応を進行させる分子触媒は多数開発されているものの、反応基質・反応剤に対する広い適用性と高い効率性・選択性を兼ね備えた分子触媒の開発は困難であった。本研究で開発した集積性の触媒は、柔軟な反応空間を有し、反応気質や反応剤に合わせて適切な反応空間をとり、効率的な反応を広く進行させることができる。新しい適合型の化学反応制御によって、新たな反応を実現することができる。
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