研究課題/領域番号 |
19K05485
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
柴田 高範 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80265735)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 脱水素型Diels-Alder反応 / 縮合多環式化合物 / ヘテロ原子 / 炭素-硫黄結合開裂 / 光触媒 / ニッケル触媒 / イリジウム触媒 / 含硫黄多環式化合物 / 有機光触媒 / 協奏的反応機構 / 不斉合成 / 遷移金属触媒 / 原子効率 / 縮合多環式骨格 / 複素芳香環 |
研究開始時の研究の概要 |
Diels-Alder反応は一般的に、1,3-ジエンとアルケンの付加環化反応であり、六員環骨格を構築する信頼性が高い合成手法である。一方、アルケン部分に代えアルキン部分を含む基質を用いた場合、デヒドロ(脱水素型)-Diels-Alder反応と呼ばれる。本研究では、ヘテロ原子置換のアリールアルキンを基質として用いて、不斉デヒドロDiels-Alder反応の達成を目指す。本法により、軸不斉、面不斉の創製が可能であり、原子効率の高い新規なキラル縮合多環式複素芳香環の構築法となり得る。本研究により、新規な不斉反応の開発と、新機能性物質の創製の両面において、重要な成果をもたらすことが期待される。
|
研究成果の概要 |
ケイ素架橋のテトラインを加熱したところ、2種類の脱水素Diels-Alder反応が連続的に進行し、含ケイ素七環式化合物が得られた。本反応では、最初1,3-ジイン部分とアルキン部分の分子内環化により、ベンザイン中間体が生成し、さらにアリールアルキン部分との分子内環化により、縮合多環式化合物が得られる。一方、硫黄架橋1,8-ジインに対しニッケル触媒を作用すると、C-S結合の開裂を起点として、2つのアルキンの連続的分子内挿入が進行し、チオピラン環を含む四環式化合物が得られた。本反応は、配向基を用いない室温でのC-S結合の開裂を起点する数少ない反応例である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境負荷の小さい合成変換反応の開発は、有機化学者に課せられた使命と言える。今回報告者は、原子効率が100%である新規な形式の連続反応により、縮合多環式化合物の効率合成を達成した。ケイ素架橋テトラインの反応で、2種の連続的脱水素Diels-Alder反応により含ケイ素七環式化合物を合成し、さらのこの環化体が高い1,3-ジエン活性を有することを見いだした。一方、硫黄架橋の1,8-ジインの反応では、Ni触媒を用いることにより室温でC-S結合の開裂、さらに連続的なアルキン挿入により含硫黄四環式化合物を合成し、さらのこの環化体がトルエン類の選択的空気酸化において、光触媒として機能することを見いだした。
|